無題 詩篇

@ogaprofane77

第1話 習慣の映画


薊の根が

猫の手をくすぐらせると

蠟のしずくが凝固する

ひとつずつ、整列するみたいに

七月の十日間の雨、不思議な

溶けたバタースコッチと

ゆらぐ、午後の

四散する蟻の巣

待ち続ける

緑の野で


言いたいことは言わないほうが身のためだ

包まれたパイの中身から

キャンディやソーセージが溢れる


浮かぶ瀬にあの子の笑顔と

日光浴の日課

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