ラエの燕

海軍が撤退、転進したため、ラエ基地は我が帝國陸軍が管轄する事となった。

まあガダルカナルとか言う島は海の彼方だし、海が苦手な陸軍機は陸伝いの

ラエ防衛の方が助かる。


イギリスから輸入し、製造権も得たマリーンエンジン(日本名ハ41)は抜群の高性能を発揮し、海軍の烈風ともほぼ互角。

おかげで川東の株は爆上がりだそうだ。


だが初島航空機も新型発動機の誉18気筒で株を上昇。


航空会社も忙しい毎日だ。


川東発動機はマリーンエンジンの量産も成功。

イギリスからボールベアリング加工機も輸入出来て、精密な水冷エンジンの

調子も上々。


陸軍の主力戦闘機になり敵対してる初島航空機でも転換量産開始。

奇しくも陸海軍機の主力機を量産する会社となる稀有な例となる。


飛燕は時速700km前後の最高速度とマッハに近い急降下性能。

そして烈風並の航続距離。

運動性も良く、前線でも川東航空の明石工場が量産成功で、多数の

部品を前線にも配備し、部品で困る事も皆無。


またⅡ型からは枠なしのバブルキャノピーを採用。

イギリスの技術転用で一発抜き式の水滴型となり、後方視界もアップ。


同じキャノピーは烈風も採用。


戦闘機は後方視界が9割とも言う。


脱線したが、我が精鋭ラエ陸軍航空隊の長、加藤健夫少佐だ。


イギリスとの国交でシナとも講和が成立。

大陸の戦場から島嶼の戦場になり、アメリカの目を我等航空軍が集めねばならぬのだ。


海軍は日夜、ガダルカナル近辺の防衛に徹し、米海軍を一手に引き受け、

我が陸軍は飛燕でポートモレスビーの米陸軍機との決戦の日々。


オーエンスタンレー山頂に電探基地を設置出来たので、敵情が即座に通達

可能となったのは有難い。


愛機、飛燕2型前で待機してた私は機に飛び乗ると海に向かって飛び立ち、

低空で速度を稼ぐ。

この辺りは前の海軍時代から受け継ぎ継承した戦法だ。


低空時は速度が大切。

速度が乗って敵を交わし、戦闘準備を整え基地上空で暴れるのが迎撃戦の戦法。

敵は・・・新型のP51Aだ。


飛燕と似てるが・・・エンジンが駄目っぽいな・・。

急上昇すると息を付くし背面飛行ではフロート式キャブレターなのだろう。

ガクンと速度が落ちる。

戦闘機はエンジンだと痛感した。


息を付いた一瞬を逃さず、私はスロットルを入れ、P51を撃墜。

列機も次々に同じ戦法で敵を撃破し、基地周辺は敵機の墜落で炎上し、

降下する米兵の落下傘も多数。


以後、旧式となったP40と交代するハメになったP51Aの初陣始末記である。


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イギリスと敵対してないので南方戦線に加藤隊長が出て来ました。

P51Aのアリソンエンジン型は事実とは違う設定にしました。

マリーン搭載の飛燕がこの世界のP51Dです。

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