敵新鋭戦闘機との激戦

ガダルカナルから飛来した敵の新鋭機、F4UとF6Fは共に2000ps級の

精鋭戦闘機。


主翼を見ると3門ずつの機銃。おそらく13mmだろう。

火力としては充分に脅威だ。


だが我が烈風も改良に成功し、20粍4門搭載。

エンジンも更にパワーアップしたので負けるツモリは無い。


敵と対峙するまで高度と速度を稼ぎ間を取る。

戦闘機戦の基礎は複葉機時代と変わらぬ。


性能は上がれど、パイロットの技量次第で簡単に逆転するのだ。

そして大事なのが指揮官の指揮。

下手な指揮だと部隊壊滅も起きる。

まずは部下を安全に誘導し、敵をこちらの管理下に置ける配置にする。

間違っても敵の管理下にされてはならぬのだ。


大回りでゆっくりと上昇し、敵より高度を稼ぎ速度も載せる。

敵が焦ってかま首を持ちあげる時が・・戦闘開始の合図だ。

狡猾にかつ大胆にそして冷徹に・・・。

戦闘開始したら故郷も家族も忘れ、自分の生死を思う事もしない。

相手は俺達を殺しに来た敵!!


ゆっくりと高度を稼ぎ、速度を得た我等にイラついたのか・・。

敵は機首を上に上げ、スロットルを入れ上昇姿勢。


バカめが・・・。

敵の眼前でかま首上げるとは愚か者だ。


構う事は無い。殺せ!!突っ込め!!


部下は多くの訓練で俺の呼吸を得てる連中ばかり。

二番小隊の武藤、三番小隊の西澤。

この海軍最強小隊の前で、速度が落ちる急上昇姿勢を見せた事を地獄で後悔しろ!


烈風戦闘隊はソロモンの蒼空と紺碧の海をバックに壮烈な空戦を開始。


主翼からは雲を引き、機銃の轟音とエンジンの轟音。

そして機体の金属と空気が割きあう金属音。

凄まじい轟音と聞こえないが双方の断末魔の悲鳴。


俺達は小隊を崩さず冷徹に敵一番小隊を目標に、得意技のズーミング攻撃を開始。


速度を乗せ一瞬で敵のパイロットを目標に急降下・・

一瞬の射撃で敵兵がのけ反るのを確認。

敵機は煙も吐かず海に消えて逝く。


列機も俺に続き敵パイロットを射殺し撃墜。

三番機は・・・バカめ。射点に付けずチャンスを逃してしまった。

まあ次で良いか?


「オイ、スギ!!ヘマしたな?基地に帰ったら前に支え30分。」


「隊長、すいませんでした。了解です。」


若い杉田飛兵は即座に返信し、基地に帰れば前に支えを約束。

キツイが今、この場で身体に憶えさせないと明日は彼が海に消えるのだ。


戦場は非情。


敵を逃すと次は自分等が仏入りか靖国に帰るハメになる。

向かって来る敵には非情に!!と部下にも散々言っておく。


敵も日本側は救助してくれないと分かってるので潜水艦や飛行艇を配備し、

撃墜されたパイロットを一人でも救助しようと準備してるが、見逃す我等では無い。


見つけたら必ず仕留めろと基地隊や電探部隊が厳重に周囲の海を見張ってるのだ。


護衛小隊は戦闘には参加せず、高空で敵味方の動向を監視し、潜水艦や水上機が出現したら、始末するのが役目。


今日の護衛小隊は・・・西澤か・・。

彼なら無問題だろう。

ラエでも俺に次ぐ撃墜数を誇ったエースだ。

我が軍は戦闘機にガンカメラを搭載し、膨大なフィルムを現像し内地でニュース映画に提供。

敵撃破の一瞬を見て祖国の民は献金を勤しみ、工場での量産に活躍。

彼等を支えるのも支えられるのも我等の使命。


見てると西澤小隊がダイヴし、敵潜水艦を仕留めてた。

見事に50kg小型爆弾が潜水艦艦橋を破壊し轟沈。


救助しようとしてたパイロットも共に海底に飲み込まれて逝く。


キツい空戦続きだが、敵も夜襲は滅多にかけて来ない。


激戦続きで余裕が無いのだろう。


またあまり言及してませんが、敵は前の海戦で戦力がガタ落ちです。

特に艦隊の主力、空母と戦艦が壊滅したのは大きいみたいです。


ドイツとの国交で電波技術のアップを図ってるそうですが、電波技術はどうやら、

イギリスが一歩先みたいです。

またエンジンもロールスロイスエンジンに代表される高性能マリーンエンジンがあります。

栄から誉に代わる時、冶金技術をイギリスから転移して貰い、充分なパワーアップが出来ました。

ドイツもDB601エンジンがありますが、マリーンエンジンの方が高性能みたいです。

ただ艦隊向きでは無いので、陸軍にゆずり新鋭機キ60に搭載。

飛燕と名付けられラエで活躍しております。

P40やP60とも互角以上の破壊力を発揮。

ラエは陸軍に任せ、海軍はガダルカナルで抑えましょ。


ガダルカナル空襲時にはラバウルのブナカナウ基地から二式陸攻が出撃し、途中で戦闘隊と合流。

4発爆撃機が搭載する3tの小型爆弾の破壊力は凄まじく、二日程は空襲が途絶える程であります。


その間に我等も身体を休め、補充機の受け入れや整備。

ラバウルからの補充物品。


結構有難い休みと補充です。


空襲はさすがに毎日は無理ですが、破壊力が高いので継続させるそうです。


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ストックが尽きましたが、まだまだ続きます。

二式陸攻は一式を4発にした機と想定して下さい。

次回は飛燕編です。主人公は出ません。




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