第17話ボス戦終結
ワールドアナウンスが終わったと思ったら次はスキルレベルアップのシステムメッセージが届く。やはり明らかに格上すぎる相手だったのだろう。ウルフなどを50匹ぐらい倒してやっと1レベル上がったのが一度の戦闘で2つも上がっている。
「シエルさんお疲れ様です」
「ん、お疲れ」
ひと段落ついたので先輩と喜びを分かち合う。一撃でももらったら負け確定の厳しい状況だったが危なげなく勝つことができた。コメント欄でも祝福のコメントで盛り上がっている。
{いったーー!!}
{おめでとうー!!}
{88888888888}
{2人でボス討伐とかヤバすぎw}
{マジで勝つとは…}
{同接も10万超えてるし、まじ伝説の始まりでは!?}
「え、同接10万!?」
コメント欄で書かれていたので確認すると本当に超えている。最後に確認した時は2万ちょっとだったのにいつの間にこんなに増えたんだ?それに投げ銭も信じられないぐらいきている。具体的に言うと、僕の前の2ヶ月分の給料を軽く超えるぐらいだ。あまりの数字に恐れ慄いている僕に比べて、
「ん、久しぶりに10万超えた」
先輩の反応は非常に軽い。というか過去に10万超えたことあるのか。まあ、100万人を超えるチャンネル登録者を持っているため不思議ではないがそれでもすごい。
「えっとあの、たくさんの応援ありがとうございました。皆さんのおかげで無事北エリアのボスを倒すことができました。本当にありがとうございました」
しどろもどろになりながら視聴者の方にお礼を伝える。
{戦闘時とのギャップよw}
{「終いだ」とか言ってめっちゃかっこよかったのにw}
{↑ねw今は可愛い感じ}
「か、揶揄わないでください。うー、恥ずかしい……」
少しテンションが上がって普段あまり言わないことを言ってしまったので恥ずかしくて俯いてしまう。すると先輩が近づいてきて顎を持ち上げて顔を上げさせられる。唇が触れてしまいそうなほどの至近距離で、
「大丈夫、かっこよかったよ」
と普段より少し低い声で囁いてきた。これは反則だろ。顔が真っ赤になるのが自分でも分かるが止めることができない。その僕の反応を見て満足したのか先輩が離れてくれる。
{顎クイきたー!!」
{やっぱりネージュくんがされる側なんだw}
{シエルちゃんの低い声やばい}
{↑それなイヤフォンで聞いてたら耳孕むかと思った}
「先輩、ずるいですよ」
弱い語気で抗議するものの先輩はくすくすと笑って受け流してしまう。格上のボスには勝てても先輩には僕は勝てないようだ。
「ネージュ、そろそろ街に戻るよ」
赤くなった顔を必死に戻そうとしてる僕を置いて街に戻っていく先輩。
「あ、ちょっと待ってくださいよ!」
僕もそのあとを追って街に戻るのだった。
なお投げた初心者の刀を回収するのを忘れていたため、途中で引き返しすことになり先輩を待たせて怒られてしまうのだったとさ。
ちゃんちゃん。
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