老人の恋②

１話完結：４５４字

　喫茶店の常連客、中川さん男性７５歳。

　何度か、友人達と来た。その内、友人達と会う場所に出来なくなったのか、顔を見せない日が増えて来た。

　だが、或る日、午後の奥様方の前でカウンター越しに大声を放った。

「僕が、いつ営業妨害をしたんですか？」

「こうして大声で怒鳴られることが、既に営業妨害なんですけど」

「なんで信仰の話しをしたらアカンのですが？」

「そういうことを嫌だと感じる方もいらっしゃいますから」

「なんで政治のことを話したらアカンのですか？」

「どういう話題を嫌がる方もいらっしゃいますから」

「じゃあ、僕の気持ちはどうなるんですか？」

「え！？」

「出入り禁止にされる僕の気持ちはどうなるんですか？」

「知らんわーい！」

　それから、店の常連客甲斐さん男性７５歳を別の店に呼ぶことになった。

　甲斐さんは、どんな話題だったが話してくれる。

「ママさん、中川さんが『ママさんは鶴田さんとできてる』って、嫉妬の炎燃え上がってたで。

「話題、ママさんの話題ばかりやで。ママさんに惚れてるんやって！」

　そんなことを言われても困るママさんだった。