第3話 悪霊退治屋とナンパ


 悪霊退治の依頼を終えた翌日。私はスーパーに買い物に来ていた。なんでも、兄貴が食材が足りないとか言うのだ。今回は、作る前に確認して気がついたから良かったが、前回は作ってる最中に気がついたから、とんでもなかった。


 スーパーでの買い物を終えた私は家に帰ろうとする。しかし、そこで、声をかけられた。



「お姉さん、すみませんけど、落し物をしてしまいまして、良かったら探すの手伝ってもらえませんか?」


「あー、いいですよ。どこで落としたんですか?」


「こっちです」



 落し物をしたという男性がいたので、私は親切心から捜し物をすると言った。しかし、段々と人気のない場所に来てしまい、不思議に思っていた頃、後ろから人が私目掛けて勢いよく来て、スタンガンでバチッとされた。その後、手足を縄で縛られた。



「へへっ、こんなチャンス逃すものか!」


(あー、騙されたって事か……。どうしようかな……)



 その時だった。さらに誰かがやってきて、男達を蹴っ飛ばした。見た感じ、仲間には見えないが、どうだろうかと思っていたら、その顔は知った顔だった。



「花巻さん……?」


「やっぱり、昨日の悪霊退治屋さんでしたか。1部始終見てましたけど、怪しい人にホイホイ着いて言っちゃダメですよ」


「う……、返す言葉もございません……」


「さ、縄を解きますから、逃げましょうか 」


「ありがとうございます」



 この後、警察を呼んで私を路地裏に連れてった人達は逮捕された。そして、お礼をするために、カフェに誘った。



「助けていただいてありがとうございます」


「いえいえ」


「それで、お礼ってどうしたらいいですか?」


「連絡先くれたらお礼になるよ」


「え?それでいいんですか?」


「でも、すぐにはもらえると思ってないから、もらえるようになったら、またここで待ち合わせしよっか」


「え?いや、連絡先くらいいいですよ?」


「……そうか……」



 その後は連絡先をもらってその場は別れた。連絡は、『簡単に他人を信用しないで欲しい』と来ていた。……私、そんなにお人好しに見えるのかな?

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