第2話

「銀貨」

ヒロムが妙に神妙な顔で

わたしに話しかけてきた。

学校の帰り道。

「なによ」

「どこにも行かないでくれよな」

「えっ」

「オレのためにどこにも行かないでくれよな」

「なによ、急に」

「いや、何でもない」

ヒロムがそれから普通に戻った。

「よーしITで大儲けするぞーーーーっ」

「バカ、まだ会社も起こしてないじゃない」

「まっ、そりゃ、そうだけど」

ヒロムが笑い、わたしも大笑いした。

そしてその日がヒロムとの最後の

語らいになった。

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