帰還

最近、ローズが大人しい。リリーと話していても何もしてこなくなった。

いくらリリーと関わるのを認められたからってこんなに大人しくなるものか?

リリーも心配していた。リリーと話す機会が増えたのは嬉しいことだが、あそこまで大人しいと逆に心配になる。

そんな矢先、王宮からの使いがやってきた。どうやら、何か問題が起きたようで、俺に帰ってきてほしいということらしい。

仕方なしに俺はリリーたちに別れを告げ、ロベルトやリックたちと共に一旦帰路に着くことにした。


〜王城〜

「兄さん!!ようやく帰ってきた!!」

帰還の連絡を受けた3歳年下の弟リーンが部屋までやってきた。

「ああ、リーンか」

「ああ…じゃないよ!!僕、兄さんの分の仕事代わりにやってたんだからね!!」

「すまない、ありがとう」

リーンは実に優秀な弟だ。非常に助かる。

「全く…それで無事会えたの?」

「ああ。忘れられていたけどな…」

「え!?どういうこと?」

リリーの状況を一部始終説明した。

「なるほどね。それで…」

「で、何があったんだ?まだ向こうにいるつもりだったのに、急に呼び出されたんだが」

「それが…国内で販売を禁止されている危険な薬物が密輸されているみたいでね…それに名門貴族が加担している可能性が出てきたんだよ…」

「…まず、調査資料を見せてくれ」

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