第12話 3体の死者退治(後編)


俺十兵衛達はその後、各階の探索をした。

だが死者は見つからなかった


俺たちは唯一探索してない屋上にやって来る


「…あと探してないのはここだけだ、ここに最後の死者がいるだろう」


「「………」」


「覚悟はいいか?」


灯と強子は頷いた

俺は屋上の扉を開けた


屋上の端に、いつでも飛び降りれそうなところに。

制服を着た、金髪ロングヘアーの肌黒美少女が立って居た

胸元を出すように制服を着ていて、ちょっとエロい。


「うち!!ここから飛び降りて死者になったんだ!!

 マジバカなことしたよね!!」


死者は離れているこちらにも聞こえるように叫ぶように話す。


「「「………」」」


俺たちは無言で死者の話を聞く

死者は屋上の端から離れ、こちらへ寄って来る


俺たちは無言で構える


「うちはギャル子、彼氏に振られちゃってそれで自殺したんだ。

 後悔して居るよ、そのせいで狙われる死者になったんだから。」


「後悔してももう遅い、お前はここで退治される。」


俺は2人に言う


「ギャルをリンチする趣味はない、一騎打ちで片をつける、2人とも見ていてくれ」


そして一歩踏み出した


「全員でかかって来ればいいのに、1人で来るなんて

 律儀なんだ。」


「自己満足ともいうけどな、行くぞ」


俺は死者に殴りかかった

死者は俺の攻撃をかわして、腹を引っ掻いた。


「がはっ!!」


俺の腹から血が出る


「マジよわ~、女の子みたいに柔らかい腹だったよ。」


「「十兵衛!!」」


仲間2人は俺を心配して叫んだ


「心配するな、1発食らっただけだ。」


ギャル子は四つん這いになっている

幸子と同じだ、幸子と同じ動物拳の使い手か?


ギャル子は、人間離れしたものすごいスピードでこっちに襲い掛かって来た。

咄嗟に俺はギャル子の攻撃に合わせるように仰向けになり、その状態から。

霊力を込めた膝蹴りをぶちかました


「がはっ!!」


ギャル子の腹に膝蹴りは当たる


ギャル子はダメージを受け、腹を抑えている


「膝蹴り、痛い、痛いじゃん!!」


灯は言う


「すごい、見事なカウンターじゃん!!」


強子は言う


「勝てる、勝てるわよ!!」


俺は言う


「何か四足歩行型の動物型の超能力のようだが

 集中すれば見切れない速度じゃないな。」


とは言え、カウンターするのが精一杯で。

胸は狙えなかったがな。


「ざけんな、舐めるなよ!!」


ギャル子は四足歩行で俺に襲い掛かって来る

俺は今度は立ったまま、ギャル子の顔面に拳をぶち込もうとする。


だがギャル子はそれを見切って居た。

ギャル子は俺の拳に噛みついた


「がはっ!!」


「「十兵衛!!」」


灯と強子は心配そうな声をあげる。


「やった、やってやった!!

 うちの虎の超能力、どうだ!!見事だろ?ガキ…」


虎の超能力

ギャル子の能力の正体は虎か


ギャル子は再び四足歩行で、俺に噛みつきかかってくる


「次は頭を噛んで殺してやる、死ねぇ!!」


俺はギャル子の顔に血をかけた


「め、目が!!」


ギャル子は目が見えなくなる

ギャル子はそれに動揺する、その隙をついて

噛まれた右手と逆の手、左手でギャル子の胸にアッパーをお見舞いした


「ぐふっ!!」


ギャル子の程よい膨らみ、それが引っ込む感触が確かにした。

それとともにギャル子は空高く吹っ飛んだ


俺はその場から少し離れる




俺が居たところに、死体となったギャル子が落ちて来た。


「腹や、手から血が出るギリギリの死闘、もっと余裕勝ちしたかったな。」


灯や強子が心配して駆け寄って来る


「大丈夫!!お腹から血が出てるけど」「手からも出ているわよ!!」


「大丈夫だ、霊力で自然治癒して行くさ。

 心配ない。それより…」


俺は3人に黙祷を捧げた


「何してるの?」


「死者とは言え、元は人間だった

 今回討ち取った3人に黙祷を捧げていたのさ」


「…死者は悪だ、そんな事する必要はないわよ。」


「そう言う意見も理解出来るが、俺は人間性を保つために

 黙祷を捧げたいんだ。死者のためだけじゃなく、俺のためにもな。」


灯も黙祷を捧げた


「灯、何してるのよ。」


「私も、人間性は維持したいから。」


「…これじゃあ私が悪いみたいじゃない」


「誰もそんな事言ってな…」


「私も黙祷を捧げるわ、捧げればいいんでしょ!!」


強子は黙祷を捧げた

これで3人全員が黙祷を捧げた形になる


眠れよ、3人の死者。安らかに…




俺はお父様の部屋にやって来ていた


「3人の死者討伐、見事だった」


「…怪我しちゃいましたけどね


「それでも死者退治は結果がすべてだ。

 退治し、生き残れたのならそれでいい」


結果がすべてか

確かに失敗したら死ぬ世界だしな


「お前ら3人を新人死者退治人から、一人前の死者退治人と

 見方を変える事が会議で決まった。」


「見方を変えると、どうなるんですか?」


「…死者退治人が戦死するような、強い死者との戦いが命じられる。」


死者退治人が戦死するような、強い死者


「…これ以上強いのは勘弁して欲しいんですが。」


「…甘えるな、これも十文字の定めだ。

 もっと強い死者を退治出来るように励め」


「…はい。」


本当にギリギリの戦いなのに、これからさらに強い死者と戦うとか

どうなることやら

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