第51話 学校


 原付の後ろで楽そうに鼻歌を歌ってるツキ。

 やっぱりそこが定位置のようだな。

「きゃー可愛い!」

「あはは、俺からは見れないよ」

 と走りながら今は船橋市に入って順調に進んでいる。

 一応導きのコンパスをつけて走っているが俺たちが行く方に向いている。

 まぁ、また変わった動きしたらみんなに伝えればいいか。

 船橋を過ぎればもうあとちょいだからな。

 と壊れた道路を避けながら走っていると鎧をつけた集団がいるな、まぁやり過ごそうとしたら、ファイヤーボールが飛んできた。

「危ない」

 とツキが炎を吐いて相殺する。

 原付を止めてそいつらによっていくと、

「なんで原付なんかあんだよ?俺らにくれ」

「ふざけてるのか?」

「あ?ふざけるわけないだろ?」

「もういい、やっちまおう!」

「それはこっちのセリフだ!」

 と乱闘というか俺たちの無双だな。

「ぐっ、いてぇ!」

「喧嘩売る相手間違えたな?」

「クソッ!ふざけんなよ!」

「まだやるのか?なら今度は命かけてもらうぞ?」

「…わ、わかった、俺たちが悪かった」

「こいつら反省してないって!腕でももらった方がいいよ」

「な、悪かった!すいません」

 と態度を変えて謝る奴ら、

「はぁ、もういい」

「ったく!」

 また原付に乗って走り出そうとする。

「た、たすけて!」

「テメェ待てこのやろう!グベッ!」

 と女を抱き寄せて男に蹴りをかます。

「どうしたんだ?」

「このビルにまだ、たくさん捕まってます!助けてください!」

 と言うのでさっきの奴らを見ると逃げるようにビルの中に入って行く。

「本当に多いよな」

「本能?」

「さあな!」

 と原付を収納してそのビルに向かう。

 剣で扉を斬ると、中には男どもが女を盾にしているので、動けないと思っているようだな。

「そ、それ以上近づくとどうなるかわかってんのか!」

「アキラ頼んだ」

「あいよ!」

 周りの男どもは俺がやり、アキラは女を盾にしているバカを殴っている。

 女達は外に出ると男達しかいなくなった。

「くっ、な、何が目的だ?」

「女の解放」

「は?ななんでだ?」

「見ててキモいからだよ!」

 と男を蹴る。

「俺たちが食わせてやらなきゃだれが食い物を持ってくんだ?あいつらはそれがなきゃ生きていけないんだぞ?」

「女だって強くなれるに決まってるでしょ!」

「そ、それは」

「ふん!あんたら頭にそれしかないわけ?」

「う、うるせえ!」

「はぁ、今度こそ殺そう!だって人間のクズだぜ?」

「ダメだ、腕くらいにしておけ!」

「わ、わかった!もうしない!もうやらないから!許してください」

「はぁ、情けねーの!」

「クッ!」

「うおぉぉ!!舐められてたまるか!」

「第二ラウンドらしいな!」

「殺すなよ?」

 とまた俺らの無双が始まった。

「う、グゥ」

「ほらほらどうした?3ラウンドしようぜ?」

「か、勘弁してください」

 まぁ、骨が折れてるだろうから悪さはできないだろうな。

「よし、外に行くぞ」

「おう」

「はい」

 すると女達は外にいて着替えも持ってないようだったので収納から出して渡す。

「あ!わたしが着ようと思ってた」

「いいだろ?別に」

「ふぅ、まぁいいか」

 着替えが終わると、

「んじゃ、レベル上げに行こうか!」

「は、はい」

 と言っていつものようにレベル上げをして行く、あの男どもにも負けないようにするには1日じゃ無理だから二日かけた。


「もう大丈夫だな?」

「はい!ありがとうございます」

「いやいいよ!」

 と言って原付に乗るとまた千葉を目指して走る。

 まだこんなことが罷り通る世界なんだと少し信じられないな。

 警察が機能してないからだがな。自衛隊はいまは災害活動があるだろうし、女の人にも強くなってもらいたいもんだ。


 それからも順調に千葉まで走って行き、懐かしい光景が出て来たな。

 ようやく俺たちが住んでた街に着いた。市役所に寄ってみると、なんとか自衛隊も入っていて風紀は良くなっていた。


 学校に行ってみると、ここも自衛隊が炊き出しをしていたり、なんとかなっている。

「あ、ナツさん!アキラさん!」

「おお、元気そうだな」

「はい!」

「そうかそうか!元気ならいいな」

 とみんなと再開する。

 鍛治士の親父さんも元気みたいで自衛隊に剣を打っているそうだ。


 さて、俺の家は床が抜けてるしな。

 とコンパスを見ると俺の家の方を指している。

「もしかしてあの奥になんかあるのか?」

 とりあえず今日は学校にお世話になり、みんなと寝るといろんなことを喋ってくる!

「ほら、みんなもう寝るぞ?」

「はーい」

 と言って寝に入る。ツキも仲良くなったので一緒に寝ている。

 翌朝はゆっくり寝ることができた。

 さて、家に戻ってみるか!

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