第47話 レベル上げ4


 足立区に入る、空は曇天。

 一雨きそうだな。

 早めに空きビルに入ると降って来た。

「ここダンジョンあるぞ」

「だな、久しぶりにレベル上げでもするか?」

「だな。俺一人でいいか?」

 とアキラがいう。

「二箇所ないか?」

「ん?あぁ、あるな上の方にも一つ」

「じゃあ。一つはアキラに譲るよ」

「おし!レベル100まで上げたいんだよな!」

「私だって!」

「んじゃアキラよろしくな!」

「おう!」

 と言ってダンジョンに入って行く。

「じゃあ、俺らは上にあるダンジョンだな」

「はーい」

 とチフユと登って行く。

 さっそく中に入ってみると、

「げっ!1階層からトロール?」

「まぁ、こんなダンジョンもあるさ」

「くっそぉ!」

 とトロールに突きをかますチフユはなんとか倒してる感じだな?

 俺は直感で宝箱を探し出す。

「お、やっぱあったな」

 槍で開けると毒ガスだったので少しの間遠くにいる。

 まあ近くにいたトロールが死んだので結構強い毒だったみたいだな。

 宝箱からはマジックボックスだった。

 マジックバッグより入るしまぁ、良い方だろう。

 収納して1階層のボス部屋に入るとキングトロールだ。

「頑張れよ!」

「い!相性わるいのに!」

 と言いながらでもなんとか頑張るチフユ。

 だが最後は泣きついて来て俺が倒す。

 ドロップは皮に魔石、宝箱はマジックバッグだった。

「ウキュー」

「ん?どうした?」

「キュキュ」

「お前も戦うのか?」

「キュ!」

「わかったよ。ならチフユの邪魔にならないようにな」

「ウキュ」

 と戦い出したツキはそれなりに強い。

 火を吐くし噛みつきでどんどん倒している。

「チフユ!負けてるぞ!」

「ツキちゃーん!ちょっと遠慮してぇ!」

 流石ドラゴンだな。

 ある程度倒したら俺のとこに来て甘え出す。

「ヨシヨシ、すごいなツキは」

「きゅ!」

 凄いドヤ顔だな。

 あとは任せるらしく俺の腕の中で寝始める。


「うー、ツキちゃんに負けられないよ!」

 とチフユもやる気になったが、もう敵がいないんだよな。

 2階層のボス部屋はウッドゴーレムだった。木でできたゴーレムだったのでやる気のチフユがボコボコにして消滅して行った。


 ドロップはトレントの木板と魔石。

 直感で触ると宝箱が出て来て槍で開ける。

 トタタンッ!っていつも危ないよな。

 中身は身代わりのネックレスだ。

「わお!私にピッタリ!」

「あぁ、お前が持ってけよ」

 1番危なっかしいからな。


 3階層にいくとミノタウロス、牛の顔をした二足歩行のモンスターだ。

 槍使いが上手くなったチフユの敵じゃないな。

 無双して行くチフユに俺なんかいらないと思うんだが。

 3階層のボスはミノタウロスウォーリアだ。

 普通より赤黒く大きさも一回りでかいな。

「ウォー」

『グオオォォォ』

 まぁ、良い勝負だが獲物が長い分チフユが有利だな。

「せやぁ!」

『グウゥゥ…』

 なんとか倒したな。

 ミノタウロスウォーリアからは鎧と剣と魔石がドロップした。

「はい」

「はぁ、荷物持ちじゃないんだぞ」

 と収納に入れる。

「いいでしょ?」

「まぁな」

 4階層は大ムカデだ。

「くっそ気持ち悪い!」

「噛まれるなよ?毒持ちだからな」

 ドロップは甲殻と魔石か、

「くっそ!多いな!おりゃあ!」

 まぁ、なんとか戦っているのはやはり槍が極めになっているからだろうな。     

 ボス部屋はセンティピート、ムカデだなぁ。

 怪力で槍を刺しぶん回すチフユはちょっと怖いな。

「おらぁ!せや!」

 ぶつ切りにされたのにまだ動いているが消滅して行った。ドロップは鎧と槍、まぁ、全部収納だな。

 5階層は一つ目のレッドアイというモンスター、レーザーのようなものを出してくるがここが弱点ですと言わんばかりのデカい目を突き刺して行くチフユ。

 ラストを倒しドロップは光玉と魔石。どういう使い方するのかわからないから収納です。


 ラストボス部屋はサイクロプス。一つ目の巨人だ。

 瞬歩を上手く使って膝をつかせると大きな瞳にジャスト槍を放つ。消滅して行くサイクロプスが可哀想だがドロップは鎧とグリーブ、魔石だった。

 ダンジョンコアが出て来て触り俺とチフユ二人とも体術でツキが火炎魔法だ。

   

 二人で外に出ると傷だらけのアキラが待っていた。

「どうしたアキラ、ヒール」

「サンキュー、思ったより手こずってさ、上のダンジョンはドラゴンだったよ」

「そうなんだ、でも倒して来たんだろ?」

「当たり前、でも結構良いのもらっちまった」

 そうか、アキラでもそれだと俺ならどうなるんだ?

「とりあえずはドラゴンダガーが新しくなったわ」

「ほう、前のは?」

「ドラゴン戦で壊れた」

「そんなにか!」

「白いドラゴンでなかなかだったぞ?」

「なら俺もいってこようなかな」

「だな、ナツも行ってこいよ、お守りは俺がするから」

「誰が誰のお守りよ!」

 アキラに噛み付くチフユ!

「お前以外に誰がいるんだよ!」

「つ、ツキ?」

「んじゃツキだけ見てるからな」

「くぅー、意地悪!」

 という間にアキラにツキを預けて俺は上のダンジョンに入って行く。

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