アイドルズ・エクリプス
@toipptakosan11
アイドルズ・エクリプス
私、「葉山なぎさ」は結成7周年を迎え、徐々に知名度も上がってきたアイドルグループ「スターウィズコイ」通称「スタコイ」のメンバーだ。最近ではドラマ出演も増え、個人の仕事も徐々に増えてきた。アイドル活動も、演技も、全てにおいてもっともっと頑張って、いつか私たちの最大の目標である、東京ドームでのコンサートを実現させるんだ。そんなことを思いながら今日も、ファンとのお話会が始まった。
「次の方どうぞ〜」
今日の私の目標は、新規ファンを10人作ること。そして、彼らの名前や顔を覚えること。そう思っていると、目の前に新しいファンらしき青年が立った。
「こんにちは!」と明るく挨拶すると、彼は「あ、どうも」と口数少なく返した。
彼は初めての参加者らしい。ちょっと緊張している感じもする。もっと話してみよう。「もしかして初めてですか?」そう尋ねると、彼は僅かに頷いたが、どうも私の目を直接見ようとはしなかった。何か後ろの方に注意が向いているようだった。
「それ、しんどくないですか?ちょっと待ってくださいね。」と彼が言った。
「え?」私は彼の言葉に戸惑った。何がしんどいのか。疑問が頭をよぎる中で、彼は空中で何かをつまむような仕草を始めた。
「んー、多いな。でも、すぐ取れますよ」と言いながら、彼はその動作を4、5回繰り返した。
「あ、これで大丈夫かな。多分、今晩とかぐっすり寝れると思いますよ。それじゃ」と彼は去っていった。
彼の去った後、私はふと気づいた。何故か、今まで痛かった肩のこりがすっかり和らいでいる。まさか、彼は…霊の類いのものを払ってくれたのだろうか?
その晩、久しぶりにぐっすりと眠れた。翌日、私はステージ上でいつになく力強くパフォーマンスをすることができた。彼のおかげかもしれない。もしまた彼に会えたら、ちゃんとお礼を言おうと思う。
東京ドームでのコンサート。その夢に向かって、私は今日も全力で走り続ける。
アイドルズ・エクリプス @toipptakosan11
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