君のこころの振り向かせ方

星数卜ト

第1話

今日から高校生になった。俺の名前は時折巧。今日からこの宗波学園に入学した。とりあえずクラスメイトとは話すことができたし、自己紹介も問題なくできた為決して悪くないスタートが切れただろう。これならなんとかやっていけそうだ。この学校はスポーツ名門校らしいのだ。野球部、バスケ部、バレー部といろいろな部活が全国大会常連らしい。さらにこの学校には芸能コースがあり俳優や女優を志す人たちもいる為容姿も整った人が多い。そんな美男美女が多い芸能コースにも一際目立つ存在がいた。彼女の名前は鈴本彩菜。彼女とは一応幼稚園からの知り合いであり俗に言う幼馴染と言うやつだ。しかし最近は疎遠になってしまっている。優れた容姿を持っている彼女は、雑誌やテレビに引っ張りだこで毎日忙しくしているからだ。家が歩いて1分ほどの近所のため、たまに会う程度だった。小学生まではほぼ毎日遊んでいたんだけどなぁ。そんな思い出を振り返っていると、ながーい校長先生のありがたいお言葉が終わっていた。あっという間に入学式が終わり今日は下校となった。学校から歩いて10分もしない距離に家がある為基本的に徒歩通学をすることになる。帰っていると後ろから声がした。振り返るとそこにはちゃんと喋るのがは久しぶりの彩菜がいた。どうやら今日は入学式のため1日休みを貰ったらしい。それにしても話しかけられたのが家の近くでよかった。わが家は街の端っこに位置し、向こう側には山がある為学校から近いとは言え同じ方向の同級生が少なかった。もし誰かに見られていたら明日は質問攻めになっていたかもしれないな。そんなことを考えていると彩菜が口を開いた。

「今日から高校生だね。」

「まあ、学科は違うけどな。」

「でも同じ高校だから毎日登下校同じだもん。」

「一緒に登校する気かよ。それに芸能コースで皆勤賞はいじめられるぞ。」

「私売れっ子だから大丈夫だよ。」

そんな他愛のない話をしていると彼女の家に着いた。自分の帰路に着こうとすると彩菜が口を開いた。

「この後って予定があったりする?」

「今日の午後は中学の友達と遊ぶんだ。悪いな。」

「ううん。全然大丈夫だよ。またねー。」

「じゃあ。」

そんな感じで自分の家に帰った。

(面と向かって話すの久しぶりだったな。それにしてもあの頃とはオーラが違って緊張した、、、)

彼女は整った容姿を持っている為同学年の他の子と比べ大人びて見えた。

(みんな変わったもんだな。俺も変わりたい。)

そんなことを思いながら俺は遊びの集合場所へと向かった。

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