僕が人生初のアニマルビデオを見たのは中学生のころだった。

右も左もわからない僕に、友達がとあるＶＨＳを貸してくれたのだが、

これまたぶっ飛んだ内容のマニアックなやつだったのである。

女性の裸体全体に小豆のジャムを塗りたくり、舐めるという遊びだ。

また、人生初の叡知ゲームは、ワゴン販売で格安の中古、これは超が付くほどのＳＭモノで、僕は絶望を覚えたのを今でも鮮明に憶えている。

そんな時である、こういう叡知な内容の作品と出会ったのは。

ガチで３０年以上前の叡知なビデオだ。誰かタイトルを知っていたら教えてほしい。

男優さんが、女優さんを目の前にして、

「いいんですか、奥さん。僕みたいな男を、昼の日中から部屋に上げこんで」

と言い、直後から遊びが始まるのだ（ちなみに僕はその遊びの前半だけでゆうに１０回以上はＯッた覚えがある）。短い人生、僕は生まれて初めて「上げこむ」という動詞をそのビデオで覚えたのだが、今検索してもどう頑張ってもヒットしない。だが、確かに男優さんはそう言っていたのである。なんなら自信もある──しかし、検索に全く引っ掛からないことを考えると、その叡知動画は完全に歴史から消えてしまったか、どこかの誰かがＶＨＳなりＤＶＤなりＨＤＤ・ＳＳＤなりに記録しているか、この二極しかない。

だが、その二律相反を超える遊びを僕は思いついてしまった。

無い。なら、つくれば良いのである。

想像遊びをするとき、──ぼくが人妻モノが好きなのは、ぼくの読者様ならもうご周知のことかと思うが──、想像上の人妻さんを相手に、そのセリフを実際に口にし、遊ぶのだ。あるいは、年下の男の子をやさしく導く女性の台詞を考え、それを口にして、自分をその男の子と設定して遊ぶのである。これもまた良い妄想遊びである。

ぼくはそれによって興奮することができるし、遊びのコースも悠々自適、言う事無い。まさに、格安かつＶＩＰ体験のできる遊びではないか。激しい動画で麻痺することもなければ、おＯホールの内部の粘液を洗い落とす必要もない。

『射精道』という本がある。嘘だと思ったら検索してみてほしい。

この本には、一人遊びの大切さをまじめに研究した方の真摯な文章が、これでもかとうほど、詰め込まれているのだ。変な性教育ビデオや書物を渡すより、よっぽど男子諸君の役に立つとぼくは本気で思っている推しの本である。この本の著者さんは、想像遊びを推奨しておられる。大いに学べる稀有な書籍だから、皆さんもぜひ一度手に取ってほしい。

お薬のせいか、ヘルニア手術のせいか、ぼくは基本的には射精できない体になってしまった。でも、ムラＯＯすることもしょっちゅうあるし、元気にはなるし、硬くなるし、遊べばＯクこともできる。エクスタシーは感じる。遊ぶ日は週末のみと決めてある。今はそれでいいとしよう。