三つ子転生

第1話

 小さい頃から特別だった。華族の家系に産まれ、成績において日本随一。 

 だが、特別と感じるのはそれだからじゃない。8歳の頃、信号を無視して俺の方に突っ込んできた車が目の前で大破した。そのほかにも危機にあうと必ず何かに守られる。




 俺は防府怜、16歳だがアメリカに渡り、大学院で博士号を獲得し、現在は家で各種武道と専門分野の学習を行っている。今日は久しぶりに父、安芸元景と会えるということでこのように日記を書いている。

  

「よし、日記は一旦終わりだ。父との会食後に父との会話でも書こうかな」

 大きな独り言を吐いてしまった。小さい頃からの自分の特徴も日記に書いてしまっているのは父の執事に「元景様が『お家に関する秘密と怜様の力について話す』とおっしゃられていました」と言ってきたため少し混乱している。なぜなら、アニメと歴史が趣味の一つだからだ。どんな歴史書をよんでも謎の一族と書かれている一族の秘密がわかるなんてヲタクとしては最高の瞬間なのだ。 


日記

 『〜6o'clock〜

  父との会食の時間だ、隙がないよう質問したいと思う』

 父がまだ来ない食卓で日記を書くとかもう悪い癖だな。 

  チャリンチャリン  

    入り口にある高価なベルが鳴った

「久しぶりだな怜」

「お久しぶりです、父さん」

  その時だ父さんの後ろから、俺が入ってきた。  

「お前の秘密を話すために、この景が必要なんだ。お前の弟だ、一卵性の。景、兄に挨拶しろ」

  俺と同じ、後ろで束ねられた長い髪と碧眼の少年が口を開いた

「はじめまして、お兄様」

「はじめまして景。父さん、僕は弟がいるなんて知らないよ」

「シャンパーニュの2008年のワインと新潟の大吟醸、あと鹿児島の森伊蔵を頼む」

 父さんは俺を無視して、最上級のワインを頼んだ。

「父さん、返事は‼︎」 

 俺は思わず大きな声を出してしまった。

「怜、少し待て、これを飲んでから話す、今もどう話そうか悩んでいるのだ、この私が」

  そして流れる静寂、3つとも飲み切った段階で父が重い口を開けた。

「我ら一族はアナザーワールドとこの世界で貴族と王族を兼任している。戦争にあちら世界にある特性を持ち込み、戦果をあげたことで、子爵から侯爵従2位までくらいを上げたのだ、そして予言書どうりお前たちが産まれたので、書いてある通りそれぞれの世界で別々に育てたのだ」

  衝撃の事実だ、ついまじかと言ってしまいそうになった。 






  

 

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