14 八尋善三
次の日。
皆はまた朝から
交信が二日間空いたことに加え、キャンプの報告も山ほどある。
自動販売機のこと、シャワー設備のこと……
そうして時刻が正午を少し回った頃。
反射した光の中に、不穏な内容が映し出される。
“ 大人にみつかりました ”
いつになく荒い走り書きで、一行だけ。
大人とは、神社を管理している
いずれにせよ、見つかったのなら一大事だ。返信が途絶えて
“ 無理はするな
こっちはいつまでも待つから、
ほとぼりが冷めたら返事を入れてくれ ”
そう返信して
皆一様にひきつった表情をしている。
「大丈夫だ。そのうちまた返事、くれるよ」
そう言ったものの、一番不安を感じているのは
あの時、過去の
いや、結局それも一緒だ。
どのみち怒られて、鏡を取り上げられていただろう。
自分がその場に行けないのがもどかしい。直接話せれば何か解決の方法もあるかもしれないのに……。
「大丈夫、大丈夫だよ……」
貼り付いたような笑みを浮かべながら、
〈 みっこぉ😘 〉
〈 凪 〉 …………ああ⤵️
その間、
しかし鏡に光を当てても映るものは自分の書いた内容だけで、
〈 みっこぉ😘 〉 ねえ、もっかい見てみてよ
〈 凪 〉 いやさっき見たばっかだから
「……って、えっ?」
“ 昭和拾二年八月廿日
鏡ヲ再ビ封ズ
善三 ”
「これは……!?」
おそらく
文字が左右反転している。鏡を封じるにあたり紙か何かで包んだ際に、書かれた文字が裏写りしたのだろうか。
光の中に現れた文字は
鏡は
落胆する
「
――その名前は
「じいちゃん……」
仏間の肖像画を前に、
祖父が亡くなった理由は鉄砲水だったと聞いている。
位牌に記された命日は――『昭和十二年 八月 二十七日』。
「昭和……十二年!?」
今日は八月二十日。
つまり今から一週間後に、昭和十二年の
“ 八月二十七日、
時間は不明ですが
安全な場所に避難して下さい ”
鏡がもう封じられているのであれば見てもらえる望みは薄いのかもしれない。それでも
第一報を送り、すぐにこの昭和十二年水害について調査を開始する。
まず行ったのはネットによる検索だが、情報はほとんど出てこなかった。
「くそっ、もっと情報があれば……!」
〈 凪 〉 みんな❗️ 力を貸してくれ‼️
送信と共に、一斉に『?』のスタンプがついた。皆見てくれているようだ。
〈 凪 〉 昭和12年の8月27日、
俺のじいちゃんもそれで死んだ
このままだと
〈 みっこぉ😘 〉 うええ~~~~⁉️⁉️
〈 凪 〉 とりあえず今わかってるのは水害だってことと、日付だけだ
それはさっき鏡で送っておいたんだけど
〈 凪 〉 どこからくるとか、どこに逃げたらいいとか、それも伝えてやれないかなって
〈 さな 〉 ネットとかに記録あったりするんじゃない❓
〈 凪 〉 調べたんだけど全然情報ないんだよ
〈 久志岡悟 〉 図書館はどう?
〈 凪 〉 それだ‼️‼️‼️
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