第2話 ボーイミーツガールって変なやつ多いよね

ピピピピ……ピピピピ……

烈人の寝室の目覚まし時計が木霊す。

「あ、あと358秒……」

無慈悲かな無機質なアラームが彼を完全に起こしにかかった。

「あーもうわかったよおきりゃあいいんだろおきり

 ゃあ!」

永遠にアラームを鳴らし続けるアラームを飛び起きて止め、体を思い切り伸ばす。

「おはようございます、烈人君」

「うん、おはよう」

「今日はいい天気ですよ」

いきなり部屋に現れた美少女の挨拶を受け流し、復を脱ご……

「ん?」

「?どうかしましたか?烈人君」

「いや誰ェ!?」

「え?いやいや異世界から現れた天才美少女レニ

 アちゃんですよ?」

「いやだから誰ェ!?」

レニアと名乗った少女は部屋にいるのがさも当然かのようにカーテンを開け、ガンガンの日差しにうお眩しっ、と目を手で覆っていた。

「今日の日差しは強いですねー」

「だから誰ェ!?どうやって入ったのさ!?」

「だから異世界から現れた天才美少女レニアちゃん

 ですってば。」

「それは分かった……で?一体どうやって入ってき

 たのさ」

「それは……ホラ、壁をちょちょいと改造して」

「怖いこの人ォ!」

「あれ……もしかして記憶改ざん無効化されてま

 す?」

「なにそれめっさ怖いんだけど」

それから少しの押し問答の末、

「で、アンタは誰でどこからどう入ってきたのさ」

床に正座させ、拷問することに成功したのである。

「だから何度も言ってるじゃないですか!異世界か

 ら現れ」

「本名を名乗れ本名を!」

「だからレニアですってぇ」

……この不審者、どう処理しよう

警察か、それともいや、親が近くにいるし親に

「あ、烈人君のご両親にはキツめの記憶改ざんかけ

 てるので呼んでも無駄ですよ」

「おーおー俺の両親になにしてくれとんねん」

「それよりも烈人君お時間大丈夫なんですか?」

「あヤベェ」

烈人は二階の自室(ここ重要)の窓からレニアを投げ飛ばし、窓を閉める。

「……何も見なかったことには出来ねえかな」

そんなこんなで急いで制服に着替えるのだった。


急いで制服に着替え、朝食もそこそこに玄関へ駆け込む。

靴紐を結び、玄関を出ると、そこには黒髪ツインテールの少女が1人。

「わるいわるい、遅れちまった」

「そんなこといつものことでしょ、というか何分待

 たとせたと思ってんの!」

「いや本当にごめん」

神無月ヒカリ。

見ての通り幼馴染ツンデレである。

「そう言えばなんか変な落としたけど、どうした

 の?」

「あーいやぁなんか朝起きたら部屋に不審者が」

「どーせいつもの寝ボケでしょ?くっだらない」

なんかそんな感じの会話をしながら学校に登校していた。


「あれがヒカリちゃんですね」

その二人から約1,580m。

高層ビルの屋上から、レニアが二人を見下ろしていた。双眼鏡で。

「奴らが来るまで、もう少し時間があると望みたい

 ですね……」

そう言って、どこからともなくアレを取り出す。

「……取り敢えず、限界まで調整の繰り返しです

 ね。後は……」

再び二人の方へ視線を送る

「戦う意思、ですかね」

この内にも、刻一刻と『時間』が迫ってきている。

ミステリアスキャラを演じる前に早く調整しろレニア

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る