これ以上何があると言うの?!
saito sekai
彼は“浦島太郎”なのよ!
子供たちにいじめられていた亀は、ある男に助けてもらった。昔話に通りにお礼に竜宮城に連れて行きますと亀は言うが、なんと彼から断られてしまった。
「だって、海の中では息出来ないだろう」と言って、男はイルカに乗ってはしゃぎだした。
その姿を見て焦った亀は、竜宮城の乙姫にLINEする。
「これでは、昔話が成立しません。その男を連れて行かなくてはいけませんか?」すると乙姫から返信が。
「話通りにしなければいけないわ。息が出来ない?そんなことお話に書いてないじゃない?」
「でも、彼が浦島太郎かどうか分かりませんが・・・」
「浦島よ、彼がその人物なのよ!!」
仕方がなく亀は、イルカに乗ってはしゃいでいた彼を、無理やり甲羅に乗せ、海深く潜ったのだった。途中で当然男は息絶えた。それでも、話通りに竜宮城へ連れて行き、もてなし、鯛やヒラメの舞いを見せ、玉手箱を持たせ、陸まで送り届けた。誰か分からない死体を。
浜辺で倒れている男を見つけた、亀をいじめていた子供たちは、玉手箱を開けてしまい、そしてあっという間に彼らは老人になってしまった。
その顛末を見届けていた亀は乙姫にLINEをする。
「なんか、子供たちが玉手箱を開けてしまって・・・」
すると即座に怒りの返信が。
「何ですって!これでは最初からやり直しじゃない!」完
これ以上何があると言うの?! saito sekai @saitosekai
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