僕たちは特別でありたい。

カイ氏

第壱話 始動

中二病、それは思春期ごろに発症する「自分は他者とは違う」などといった思い込みからくる背伸びしがちな言動のことである。

※参照ウィキペディア


放課後の屋上、その組織はいつもの活動を始める。

1冊の本と双眼鏡を持っている2人の男は、何者かを探すように周りを見渡し、誰もいない事が分かると双眼鏡を覗いた。

しばらくして、2人のうち背の低い方が声を上げた。

「部長〜」

「どうした?」

部長と呼ばれたその男は前髪で目が隠れており、ポケットに片手を突っ込んでいる。

「校舎裏で告ってる奴がいるー」

同級生が告白している所を見つけた伊座いざ なぎはそう報告し指を指した、指の先を見た部長は、

「アレ、足立クシナじゃね?」

そう言ってスマホで写真を撮る。

「ぽいっすねー」

「アレ?あんま興味無さげ?」

部長は学年一の美女と言われる彼女に興味無さげな俺に驚いたのだろう。

だが、俺の事情はそんな簡単では無い。

「いやー、どうっすかねー確かにいい女性ではあると思うんすけど、なんと言うか僕の総意ではないというか、僕一人では決められないと言うか。」

「なんだそれ」

2人がそんな会話をしていると、後ろから、「ガツン」と望遠鏡と本の角で叩かれた。

「痛って!」

「何すんだよなみ!」

凪が文句を言った方向には腕に包帯を巻き、黒の眼帯をした、いかにもな女がいた。

波と呼ばれたその女子は得意げに

「2人とも警戒が甘いね、私が殺る気だったら死んでたよ」

そう言ってフフンと平たい胸を張る。


そう、ここは人間研究部(同好会)。この不気味な集団を人は狂人の巣窟と呼ぶ、普通とは違う者たちが各々の目的の為に集まり黒色の歴史を刻む。これは、彼らが思い出話にふける未来では悶絶必死な、青春?の物語。






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