青夏

みる=みさいくる

第1話

「お前引っ越すんだって?」

「ん。そうだけど。」

「なんで?」

「親の都合。なんか会社のせいで東京まで行かなきゃいけないんだって。」

「へぇ。いつまでいるの。」

「明日まで。」

「……へぇ。ちなみになんで言ってくれなかったの?」

「だってお前俺が引っ越すなんて聞いたら泣きながら行かないでーとか言うだろ?笑」

「そんなこと言わねーし。というか泣かねーし。」

「今涙目だけどな。」

「これはゴミが入っただけだし。」

「まぁでも、言わなかったのは悪かったよ。ちょっとだけ後悔してるわ。」

「言わなかったんじゃなくて言えなかったんだろ?お前の方こそ言いながら引っ越したくないって泣いちゃうもんな。」

「はっおめでたい頭してんな。」


「そういや、文化祭明日じゃん。」

「あーそうだな。」

「お前出れるの?」

「結構時間やばいんだけど、親が最後の思い出作りに出とけって。」

「ふーん。」

「良かったな。俺と居れるから文化祭ひとりぼっちじゃないぞ?笑」

「お前がいなくてもひとりぼっちじゃねーし。」

「ていうかお前、俺がいなくてゆみちゃんに告白出来んのかよ。」

「あっ?!それは確かに…」

「卒業式に告白すんだろ?頑張れよ。応援してる。」

「おう…」

「まっ失敗したら嘲笑いに駆けつけてやるからよっ。何時でも連絡しろよな。」

「失敗しねーからお前の出る幕なんてねぇよ。」

「よく言うよ。この文化祭でアピールするとか言ってまだ話したことも無いくせに。」

「べっ別にいいだろ!文化祭であっなんかいいかも…って思わせるんだから!」

「ははっ。まぁ文化祭は俺もいるんだからアピールするの手伝ってやるよ。」

「…ありがとな。」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る