ロリコンの俺が合法ロリ美少女に告白された件
小森シオ
ロリコンの俺が合法ロリ美少女に告白された件
どうしようもなく幼女が好きだ。その繊細なフォルムと、あどけない純粋さに心の奥が洗濯される。だから俺は幼女が好きだ。
しかし、そんな少数派の考え方は、このコンプライアンスが浸透した世の中では通用しない。
俺こと黒山陽太は、ホームルーム前の教室の中、自分の席で頬杖をつきながら考えていた。世間ではオタクと言われる人間である俺は、特に幼い少女に対して欲情してしまう異常性癖を有している。我ながら気持ち悪いとは思うが、それでも好きなのだから致し方ない。
きっかけはなんだったか、確か大好きな美少女アニメの影響だったと思う。俺は可愛くもインパクトの強い幼女系美少女ヒロインに恋してから、現実でも幼い少女に興奮するようになっていた。
自分でも自分の性癖が歪んでいることを自覚している。しかし、それも俺の大切な個性の一部であり、価値観の多様性が問われる現代社会ならば、きっといつか容認されるはずだ。なんて少し現実逃避してみる。
いや、なんというか、ホームルーム前にこんなことを考えるなんてどうかしているな。何故自らの性癖に向き合おうとしたのやら、本当に意味不明である。
ちょっとだけ気持ちの悪いロリコンの自分が嫌いになった。ほんのちょっと鬱気味な思考に浸っていると、勢いよく教室の扉が開かれた。
「え……」
そこに現れた人物の容姿を見て、俺は言葉を失ってしまった。
何故かというと、その人物はまごうことなきロリ美少女だったからだ。
長い黒髪に、小柄で華奢な体躯、あどけないほど幼気で若すぎる人相。完璧だ。完璧なほど完璧で完璧だ。自分でも何を言っているのかわからないが、彼女こそ俺の理想のロリ美少女と言っていいだろう。
しかし、その謎のロリ美少女がきょろきょろと辺りを見回していると、俺と目が遭った瞬間、耳がつんざくような大声で叫んだ。
「はっけぇぇぇぇぇん! 陽太君を発見ですよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
なんだかテンションが可笑しい。変わった子だと思った。しかし、どうして俺の名前を知っているのだろう。全くもって謎である。
美少女は教室の扉の方から、俺の席までずんずんと歩いてくると、ボクの目の前に仁王立ちしたあと、襟元を掴んできた。
「ちょ、な、なにすんだよ! 君は何者だ? 一体この俺になんのようだ!」
なんて反抗的な態度を示しているが、内心、俺は胸を高鳴らせている。だって理想のロリ美少女に襟元を掴まれるなんて、そうそう体験できることではない。一見、ただの暴力沙汰のように見えるが、俺にとっては最高のご褒美である。などと口が裂けても言えない。だってお縄についてしまうからだ。
そして、俺の問いかけに、ロリ美少女は顔を近づけてメンチを切るように答えた。
「ボクは白谷静紀。シズキたんって呼んでください」
そう言いながらにこりと笑った。俺はなんと答えたらいいのかわからずに適当に返事を返した。
「は、はあ……。はぁはぁはぁ」
こんな至近距離で美少女に優しく微笑みかけられたらドキドキしてしまう。僕はちょっといけない気持ちになって呼吸が乱れてしまった。周りを見ると、男子にも女子にも白い眼を向けられてひそひそと噂話しをされている。これは社会的に死んだかもしれない。
それにしても、この子の言動はさっきから危うい感じがする。どうやらガチのマジで頭の可笑しな子のようだ。
しかし、不思議系ロリ美少女というのもなんとなく尊い感じがする。これはこれでアリかもしれない。
なんてちょっと不埒なことを考えていると、急にシズキが俺に抱き着いてきた。
「それにしてもさぁ。陽太きゅぅぅぅん。会いたかったよぉ!」
「え、えええええええええ!!」
どうやらこの子は知り合いのようだ。というかこんなクレイジーな子は見たことも聞いたこともないのだが。
しかし、向こうが一方的にこちらを認知していたという可能性もある。って待て待て。もしかして、もしかするとあれなのかもしれない。俺は試しにシズキに聞いてみた。
「お、俺、君のことなんて知らないんだけど。もしかしてさ? ストーカーか何か?」
すると、シズキは俺から目を逸らしてパタパタと手で顔を仰ぎ始めた。
「え、ええっと……。な、なんのことかボクわかんなぁい。あはは……」
どうやら図星のようである。ということは俺のスマホをハックしたか何かして一方的にこちらを認知していたのだ。しかも欲望を抑えきれずにリアルで会いに来るとか、正直言ってこの子はヤバイ。正直いかれている。
こんなストーカーのやべぇやつ相手にして大丈夫なのだろうかと不安になっていると、シズキは俺にこう語りかけた。
「でもでもぉ。ボクとジョインのやり取りや、リアルでデートしてくれたらぁ。陽太君の大好きなあんなことやこんなこと、好きなだけしてあげるのになぁ……」
シズキはそんな如何わしいことを言いながら、俺に見せつけるようにスカートをちょっと捲ってふとももを見せてから、俺と向かい合うように膝元に座ってきた。制服のリボンを緩めてから、顔を近づけて上目遣いになり、なんとなく色っぽい吐息を吐きかけてくる。
そのクソビッチな態度に、俺は若干鼻血が出そうになって興奮してしまう。ロリビッチとかマジでやばい。こんなロリ系美少女とそういう関係に成れるとか、まるで夢のようだ。って、まて、まて、まて。俺は冷静になりながら、ロリ美少女を押し返した。
「ちょいタンマ。待ってよ。君まだ小学生くらいでしょ? そんな子と付き合うなんてできないよ!」
すると、急に冷やかしで見ていた周囲の人間がつまらないだの、それでも男かとかどうでもいいような揶揄が飛んでくる。
周りがどう言おうが、どんなに俺の好みだろうが、はいそうですかと受け入れるわけにはいかない。だってロリ美少女と恋仲になんてなったらまず間違いなくおまわりさんに補導されるからだ。
俺の反応を見てシズキはクスクスと悪戯っぽく笑った。なんとなくこいつモテないだろうとか馬鹿にされている気がする。しかし、シズキの口から出たのは意外な言葉だった。
「そんなの関係ないですよ。だってボク、ここの生徒。つまり高校生ですから」
予想外の言葉に俺は思わず聞き返していた。
「マジ?」
すると、シズキは頷きながらあっさりと答える。
「うん。マジですよ」
その途端、俺は頭が狂ったように動揺してしまった。だってこんなラノベみたいなご都合主義があるだろうか。しかもこんな幼気な子が俺と同じ高校生とか、そんな都合のいい話しを素直に信じられるわけがない。だから俺は疑ってかかった。
「いや、いや、いや、いや。あり得ないだろ。だって君の見た目はどう見積もっても、小学校五、六年生にしか見えないよ!」
すると、シズキは生徒手帳を堂々とボクに提示してきた。
「ほら。事実でしょ。だからさ。素直にボクとお付き合いしてよ」
本当に一年A組白谷静紀と生徒手帳に記載さているし、顔写真も本人の物だ。しかも生年月日から推測するにどうやら十六歳らしい。俺は合法ロリが実在したことに、内心驚きつつも、急にさっきの彼女の言ったことに興奮を隠せなくなり、鼻の穴を広げながら答えた。
「う、うん。いいよ。俺たち付き合おうか!」
その瞬間ギャラリーが湧いた。あちらこちらから祝福の声がたくさん響いている。
そして、シズキはまたボクに顔を近づけてとてつもない爆弾発言を囁いた。
「やったぁ♪ これでいつでも君を可愛がれるね。陽太君をストーカーした甲斐があったよ。それじゃあこれからは、二人だけの空間でたくさん、たぁくさん君を痛めつけて、泣きわめく姿や、死んだ魚のように廃人と化した姿を生配信で実況してあげるからね! あはははは♪」
俺は彼女の告白に全身が凍り付いた。
ロリコンの俺が合法ロリ美少女に告白された件 小森シオ @yumedayume89
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます