鳩とカラス!
崔 梨遙(再)
1話完結:700字
或る日、営業で、お客さんのビルの玄関扉を開けようとしたら、頭の上と肩に鳩の糞が落ちてきた。どうしようもないので、そのまま中に入った。気合いを入れて中に入ろうとしたのに、緊張の糸が切れた。力が抜けた。
頭の上と肩に糞を乗せての真面目なプレゼン。
「今日の崔さん、いつもと違う迫力がありますね」
「頭と肩に糞を乗せてますからね!」
お客さんは笑っていたが、商談はまとまった。良かった。力が抜けたのが良かったのかもしれない。ちなみに、僕は頭や肩に4回糞を落とされている。以前、TVで、2回以上糞を落とされる奴はダメな奴だと言っていた。ということは、僕はダメな奴なのだろう。なんか悔しい。というか、悲しい。
そして、また或る日の営業。雨の日、僕は駅へ向かっていた。すると、低空飛行のカラスと衝突した。くちばしが顎に刺さった。僕は後ろに転んだ。激しく後頭部を打った。死ぬかと思った。人通りは多いが、誰も僕のことなど気にしない。カラスは一瞬よろめいたが、スグに体勢を整えて飛び去って行った。僕の顎からは一筋の血。なかなか止まらない血。意気込んでいたのに、また力が抜けた。
しょうがない。僕は顎から血を流したままお客さんのところへ。
「今日の崔さん、いつもと違う迫力がありますね」
「顎から血を流しながらですからね」
商談はまとまった。良かった。でも、なんで僕ばかりこんな目にあうのだろう? 皆様は、鳩やカラスに嫌な思い出はありますか? 糞を頭に落とされたり、くちばしで突かれるようなことは無いですよね?
鳩とカラス! 崔 梨遙(再) @sairiyousai
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