夢十夜〜夢の中は異世界〜

白火取

第1話 ゾンビのいる世界

夢を見た。


知らない街の知らない路地を走っていた。

霧の中に動く幾つもの人影。ゾンビだと理解した。

見つからないように、気付かれないように。

知らない街をあちこちに逃げる。


追われて建物に入る。

ドアを開けても開けても逃げきれない。

追いかけっこのような、ドッジボールのような、ギリギリを躱してひたすら走る。

気がついたら屋上に出ていた。

下を見ると路地という路地にゾンビ。この街から出られるルートがない。


ふと目を上げると、悪魔の羽根に鎌鼬の腕を持つ異形が、隣の建物の屋根で高みの見物をしていた。

目が合った。

反射的に懇願していた。

「殺して下さい。」

こんなに頑張って逃げた最後の一人です。ご褒美くれてもいいでしょ?


いいだろう、という声でない声が聞こえた気がした。

異形はスイっと飛んできて、何でもないように腕を振った。

首が飛んだのが分かった。

行き場を失った血が一拍遅れで噴き出して、


目が覚めた。


ーーーーーーーーーーー

寝る前にプレイしたゲーム: バイオハザード


リッカーさんに首チョンパされることで有名。

シチュエーションはどちらかというとサイレントヒル。

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