ニートが『全力』を注入された結果
みそカツぱん
第1話
「すーはーすーはーすーはーすーはーすーはー」
…………
……おかしい。ものすごくおかしい。
夜中に目を覚まして、もう一度寝ようと思ったんだが異様に目が冴える。それに呼吸も荒い。体調が悪いというわけではないが、寝ようと意識すると呼吸に意識が行き、過剰に吸って吐いてを繰り返してしまう。
体調は悪くないどころか、妙に体が熱くてウズウズする。珍しくスクワットをしてしまった。
時計を見ると夜中の4時。間違いなくいつもなら寝ている時間。しかし寝ないといけないわけではない、俺はニートだから。
思ったより捗る筋トレ。スクワットに始まり、腕立て腹筋ラジオ体操までしてしまった。
動いて疲労感はあるが予想外に目が冴えて寝れる気がしない。腹に空きがあるのが気になった。小腹を満たすために冷凍の焼きおにぎりをレンジで温める。
「…………」
温めを待つ時間が妙に長く感じる。体を動かしていないと落ち着かない。なんとなくスクワットをして時間を潰す。
「……熱っ!?」
ほかほかの焼きおにぎりが妙においしそうに見えて、大口でかぶりついてしまう。もちろん火傷するほど熱い。
「ふーふーふー」
子供の用に全力で息を吹きかけて、ほどほどに冷まし再びカブりつく。やはり美味い。焼きおにぎり3つをあっという間に平らげてしまった。
「…………」
部屋に戻り、とりあえずパソコンの電源を入れるが微妙な待ち時間ができる。やはりさっきのように待ち時間に我慢ができなくなり、今度は腕立て伏せをする。
某ネット掲示板は俺のメインコンテンツ。しかしなぜか全く面白くない。それは動画サイトも同様だった。
「……とりあえず掃除でもするか?」
気になってはいたけど、ダルくてあまり手を付けていなかった部屋の掃除。雑にドライシートで拭くだけでもそこそこホコリが取れる。
…………。
やっぱり今日は変だ、妙に細かいところが気になる。ここまでやった俺は偉い、くらいのノリでいつもならダラダラと掲示板を見ているはずだ。
今度はちゃんと物をどかして掃除をする。雑に積まれた服や本が気になる。流石にゴミは普段から捨てているが改めて見ると部屋の中がごちゃごちゃとしている。
「今流行り(?)の断捨離をしてみるか……」
雑にどかそうと最初は考えていたのだけどどう思っても物の量に対して収まる気がしない。
かーちゃんに言って服を捨てる袋をもらった。かーちゃんはかなり驚いた顔をしていた。今は朝6時、俺が普段起きている時間ではないし、部屋の掃除をするということも理由だと思う。
かーちゃんからは紙はまとめて縛るからちゃんと分けろとも言われた。分別は詳しくない、怒られないように怪しいものは聞いたほうがいいだろう。
「思ったよりも要らない服が多い……」
もうすぐ夏だ。夏に着れない服は仕舞ったほうがいい。それとは別にもう着ない服もある。ぶっちゃけなんで買ったのかわからない服、これが若気の至りってやつなのか?
捨てる服を入れた袋は3つになった。
ネットで断捨離について調べたところ、半年使っていなかったものを捨てるのがコツと書かれていた。雑誌に無意味に取ってある紙袋、空になった殺虫剤、そんな明らかなゴミに使っていないものを合わせたらかなりの量を捨てることになった。
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