第31話 フリーチェの言葉



 人生は学校である。

 そこでは、幸福より不幸の方が良い教師である。 


    ―――フリーチェ (ロシアの批評家)




 ロシア(旧ソ連)の文学者、ウラジミール・マクシモビッチ・フリーチェ。


 目の前の不幸に嘆き悲しんでいるよりも、そこに何を見出すか……そちらに気を向けた方が、有意義な人生の使い方かもしれません。

 自分の身に、なぜこのような不幸が降りかかっているのか、その原因について考えたり、解決法を誰かに相談したり。


 そして、「不幸を乗り越える」経験は、自身を確実に成長させてくれます。


 逆に、自分が幸せの真っ只中にいると、調子に乗ってミスをしたり、他人への気遣いを忘れたりしがちです。


 不幸というスパイスは、人生という分厚いステーキをピリリと引き締める隠し味。


 まったく無かったら、味全体がぼやけてしまうことでしょう。


 ただ「隠し味程度ならいいけど、スパイスはこんな大量にいらないよー」と愚痴をこぼしたくなる時も、人生にはあるのかも……。

 本来は、誰しも美味しいステーキを味わっているはずなんですけどね。

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