第29話 夏目漱石の言葉
愛嬌というのはね、自分より強いものを倒す柔らかい武器だよ。
―――夏目漱石 (日本の作家)
日本だけでなく世界中でも読まれる『吾輩は猫である』や『坊ちゃん』『三四郎』『こころ』などの作品を残した、夏目漱石。
「ロマン」を「浪漫」、「ひどい」を「非道い」、「たくさん」を「沢山」と書いたりする用法は、漱石が自作の中で創作し、それが定着して今日まで残った言葉だと言われています。
漱石は、芸術家の集まる「サロン」のように、教え子や親しい若手文学者たちを自宅に集めて会合を行いました。
会合の日を木曜日に定め、誰でも自由に来てよいと認めたので、「木曜会」と呼ばれたそうです。
自分の作品について、他者の口から賛辞よりも批判を聞きたがったという漱石は、逆に若者の作品についても手厳しく批評したようですが、参加した芥川龍之介によると、
「それでもやはり先生と話をしている時は、一番のんびりした。のんびりして、思うことが十分に言えるのである」
と語っており、悪い空気ではなく、慕われていたことが分かります。
慕われるのは、いつも怒っていて大声で叱りつけてばかりの上司や先輩より、どんな時も穏やかで笑顔を絶やさない、明るい仲間です。
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