第13話 ヘッセの言葉

 日の輝きと暴風雨とは、同じ空の違った表情にすぎない。

 運命は甘いものにせよ、苦いものにせよ、好ましい糧として役立てよう。


    ―――ヘルマン・ヘッセ (ドイツの小説家・詩人)



『車輪の下』で知られるドイツの詩人、ヘルマン・ヘッセ。


 周囲からの期待を背負いながらも、その軋轢に心が押しつぶされ、しかも誰も支えてくれる人がいない、そんな過酷な環境の少年ハンスを主人公とした『車輪の下』は、タイトルの通り「踏み潰されるだけの存在」を描いた切ない小説です。


 これは、不眠症とノイローゼに悩み、精神療養を経て退学経験のある、ヘッセの自伝的小説。


 輝いている時間も、苦しい時間も、すべて自分の人生の一部。消すことのできない経験なのです。

 それならば、苦しんでいる時間は、自分が成長するための試練であり、栄養であったと、考えてみましょう。

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