化ける彼女は猫の夢を見る

Youg

プロローグ

 彼女は強い人だった。


 自分の「夢」を願い続け、立ち塞がる壁の全てに抗う。

 俺にはない強さを持つ彼女は美しく、そして自由だった。

 そんな彼女に俺は恋をした。



 世界が桜色で染まるあの日、俺は彼女に出会った。

 出会いは突然で瞬きをする暇もなかっただろう。


 まるで道を歩いていると突然顔を出す、野良猫のように。


 そして彼女の本当の「夢」の姿を目にした時、俺は泣いていた。

 世界が光で包まれ、物語は終わりへと向かう。


 これは、俺と猫のような彼女が送った青くて儚い春のような物語だ。

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