異世界との境界線が見えるので、向こう側の世界へ落とし物を届けます

あおきたもつ

第1話 世界が一つしかないという考えは大きな誤認


 世界が一つしかないという考えは大きな誤認だ。お隣さまは無数に存在する。

 

「綺麗……」


 隣から吐息がこぼれた。


 目の前に浮かぶ『星』はさながらガラス細工、触れたら壊れてしまいそうなほど薄く、繊細で、儚い輝きを放ち、事務所の中を照らしている。僕らが暮す地球も、こんなふうに宇宙で瞬いているのだろうか。ガガーリンに尋ねてみたい。

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