僕の魂修行の異世界転生
零式菩薩改
第1話 魂ランク初級
何故に生まれたのか? 生きる意味とは? そんな哲学的な話しを昔の僕は考えた事も無かった。昔と言っても、魂の話なんだけど……。そう、生涯とは、魂の修行なんだ。何を訳の分からない事をと思っている人もいるだろう。でもまぁ、そう言わずに退屈しのぎ位には、なるかもしれない。だから、僕の魂の転生修行の物語を聴いてくれないかな。
まずは、魂のランクが初級の頃の話からしようか。あれは、今にも雨が降り出しそうな
ある街の
「うわーん。ママー!」
「こら! 暴れるんじゃねーよ!」
「まもるちゃん!」
開けられた二階の窓越しから、泣き叫ぶ子供の姿とナイフを持ち、怒鳴る犯人の姿が見える。子供の名前を叫ぶ母親。僕は、落ち着くように説得すると、直ぐに家の鍵を受け取った。拳銃を右手に左手でドアノブに鍵を差し込み開錠成功。
一呼吸して、僕は、突入を決行した。
「その子を放して、ナイフを捨てろ!」
「げっ! なんだ、こら!」
突然に背中からの怒鳴り声を浴びせられた犯人の気が緩んだな。その隙に子供が逃げようとすると、犯人が逆上した。子供の頭上にナイフをかざしたんだ。拳銃の引き金を引くと、発射音が耳に響く。弾丸は、犯人の首を貫通。そのまま倒れて……。その拍子に、子供に奴の身体が、ぶつかったのだ! それを、誰が予想できるであろうか。
「うわー!」
叫び声と共に窓の外へと消える子供の姿。犯人は、床に倒れて動かなくなった。まだ青年だったんだ。少しして、死亡を確認。転落した子供は、重症。子供の両親は、僕を恨み憎んでいた。
その事件後から僕は、トラウマになったさ。そして、警察官を辞職するのに、さほど時間がかからなかった。それからは、転落の人生。定職に就かずの、その日暮らし。最後は、コンビニの夜勤のバイトをしたっけ。そしたら、店頭のコンセントを使用して、焼肉を焼いていた男を注意したら、いきなり刺されて……。
死の間際に思ったよ。違う人生が良かったと。
「ならば、やり直すがよい」
何者かの声が聴こえた気がした。いや違う。意識に直接響いてきた。空高くから感じた。そして、意識が無くなっていく……。
*****
僕は、目を覚ました。まだ薄暗い。
しかし、夢から目覚めた後に懐かしく、切ない思いになる。見る夢は、この世界の僕である者。その名を、ガムナに残る前世の記憶であった……。
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