【勝手に二次創作】ルークくんがブレアではなくエマちゃんと結ばれた世界線【書いちゃった(非公認)】

とるっぽう

ルークがエマと結ばれた世界線



 放課後。ルークは恋人と共に学校の近くにある喫茶店に来ていた。


「それでブレアがね―――――」


 楽しそうに友人の話をする恋人を前にルークの表情は曇っていた。

それはまるで、何かを思い出すようで、悲しげで…………



 そんなルークの表情に気がついたのか「あっ」と声を上げてルークの方を見る彼女。

 その顔は罪悪感に溢れており、やっちゃったなと言う心の声が聞こえてきそうなほどだった。


「その、ごめんね?ルールくん。ブレアの話するのはあんまり良くなかったね」


「いっ、いえ!そのブレア先輩のことはまだちょっとあれですけど、先輩が謝るほどでは…………」


 本当に申し訳なさそうにする恋人を前にルークにも罪悪感が、溢れてきてつい大きな声を上げてしまう。

 今ではなこの先輩を、恋人をこんな罪悪感でいっぱいの表情にはしたくなかった。

 彼女には笑っていてほしいから。必死で辛い感情を押し留めた。自分を救ってくれたこの人に迷惑はかけたくない!と。


「……そんな顔しないでって。まだブレアのこと、引きずってるんでしょ?」


 でも、そんなこともこの人にはお見通しだったみたいで。


「いいよ。話して。全部出してスッキリしたほうが良くない?」


 そう。言ってくれた。


 そこらは自分の心の中を洗い流すようにたくさん話した。


 今でも時々ブレアを見かけると目で追ってしまうこと。

 ブレアとエリカが仲良く話してるのを見かけると胸がギュッ締め付けられたような気持ちになること。

 ブレアと付き合ってたら、どうなってたかなとか、想像しちゃうこと。


 そして、先輩の事が大好きなのに未だにブレアが頭から離れないのを、先輩の事が大好きなのに先輩だけを見れない罪悪感を全部さらけ出した。


 話している間はずっと、うん。うん。と小さく頷いたりと、優しく聞き入れてくれた。

 話し終わるとすぐに体が包まれた感覚がして。


「大変だよね。辛いよね。でも、大丈夫」


 体が包まれている感覚が抜けたと思ったら肩に手をポンと置かれて正面から見つめてくれて、


「私がずっと見てるから、ね?」


ニコッと笑ってそういった。


先輩の桃色の髪とサファイア色の瞳がキレイで、ずっと見ていたくなる。


 でも、こんな自分はきっと彼女には相応しくない。過去の恋を引きずってる俺は―――


「ルークくん」


 不意に名前を呼ばれる。深い思考に潜っていた意識が引き戻される。

相変わらず先輩は俺の目を見つめていた。


「ルークくんはさ、私のこと好き?」


 少しだけ首をコテンと傾げて訪ねてきた。桃色の髪の毛がそれによってふわっと横に流れる。


「私は好きだよ。大好き、ルークくんは?」


 真っ直ぐ見つめられながらストレートに伝えられたその好意に少したじろぎながらも伝えることは決まっている。


「大好き………です」


 それを聞いて安心したのかはたまた違うナニカか。

彼女が纒っていた雰囲気が柔らかくなって「じゃあさ」と言ってくる。

相変わらずそのサファイア色の瞳でルークを見つめながら。


「それで良くない?」


「私はルークくんが好き。ルークくんも私が好きそれで良いじゃんか」


 まさかそんな風に言われるとは、心に埋まっているような悩みをそんなにもあっさりと消し飛ばされて、困惑する


「好き好き同士。両思いで付き合ってるんだから良いじゃない」


 こんなにあっさりと解決するのかと不思議に思う反面、心にあった鎖がボロボロと崩れていくような気もして。


「そう、ですかね………」


一気に体が軽くなったような気持ちが溢れてくる。また、この人には助けられたのかもしれないな。


「辛くなったら甘えて良いんだよ?」


「そしたら甘え過ぎちゃいますよ」


 ははっと苦笑いする。


「お姉さんに任せない!」


「ふはっ、はははっ、」


どんと胸を張ったときのその表情が面白くて、


「あ〜!今笑った〜!!」


明るくなったのが嬉しくて、その表情が少し面白くて、


「「あははははは」」


二人して笑った。




◆◇◆◇


喫茶店からの帰り道。


「ねぇ、ルークくん」


「はい?どうしました?」


「明日、デートしない?」


「え?!明日ですか?」


「うん……それとも、予定あった?」


迷惑かけちゃったことの罪悪感もあって


「いえ。喜んで」


そう答えた。



この人。

エマ・キャベンディッシュという、一人の女の子に出会えて良かったと、この人の恋人になれて良かったとそう、心から強く思った。



空には夕日が輝いて先輩の桃色の髪はよりきれいに写って見えた。




「なぁ、ほんとに良かったのか?」 


「何が?」


「いや、ルークのこと…………」


「別に……あの子には僕より彼女の方が良いと思っただけだよ」


「そうかよ………」


「……うん」



銀色の髪は夕日によって少しオレンジがかって輝いていた。


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