冗談でしょ!? いいえ、これは本当にあった話です。〜梵ぽんずの本当にあった嘘みたいな話。愛犬との散歩中の話〜

梵ぽんず

犬の散歩中に出会した事件。

 ごきげんよう、皆様。

突然の質問なのですが、皆様は犬を飼った事はありますか?


 私、梵ぽんずはYESでございます。


 現在、一歳のトイプードル♂を飼っております。可愛くて堪らないのですが、若さなのか去勢をしたのに毎日必ず一回は「腕を出せ。腰を振らせろ」とせがんでくるのです。


 無視し続けていると、私の足を使って一心不乱に腰を振り始めます。そして、勝手に一人で気持ち良くなって、勝手に一人で悦に浸ります。


 初めて犬に腰を振られた時は、こんな小さくて可愛いのに、やってる事クズやん……とギャップが酷すぎて泣きそうになりました(泣)


 さて、いつもの如く話が逸れました。

どうして私が犬に関する質問をしたのかと言いますと、皆様は外出している時、一度は犬のお散歩を見かけた事はありますよね?


 実は私、散歩中に見ちゃったんです。


 駐 車 場 で 大 を し て い る 、 男 性 の 姿 を 。


 小なら遠巻きにですが何度かあります。けれど、大人の人が外で大をしている所を見たのは、これが初めてだったのです――。


◇◇◇


 それは雲一つない爽やかな朝を迎えた日でした。

我が家のトイプードルが珍しく駐車場にどうしても行きたいと言って聞かなかったのです。だから、行ってみたんです。そしたら、お尻を丸出しにしたおじさんが大をしている最中だったのです。


 恐らく、トイレまで我慢できなかったのでしょう。分かりますよ、私も小の方ですが駅で漏らした

経験がございますから。


 おじさんと目と目が合った時のあの気まずさは思い出したくもありません。瞬間的に心の中で私は謝りました。


『うちのトイプードルが貴方の臭いにつられたのか、普段行かない駐車場に入っちゃいました! スミマセン!』


 おじさんの体内から排出された、ホカホカのブツを見た後、私はトイプードルを連れて脱兎の如く逃げました。


 身体中、冷や汗ダラダラです。心の中では『見ちゃってごめんなさい、見ちゃってごめんなさい、見ちゃってごめんなさい、見ちゃってごめんなさい』とシンジ君の『逃げちゃダメだ』風に謝り倒してました。


 そして、本当の事件はここから起こりました。

いつものお散歩コースも終盤に差し掛かった頃です。男性が産み落とした件の駐車場に一匹のブルドックと豹柄の服を着たおばさんが立っておりました。


 我が家のトイプードルと同様、ブルドックも臭いにつられて駐車場に入ったのでしょう。おばさんの手には便を持って帰る用の黒い袋が見えます。


「いやだわ〜、ハナちゃん! どうして、今日はこんなに立派なウンチをしてるの〜? 普段よりも大きいじゃな〜い!」


 おばさんの嬉しそうな悲鳴が聞こえてきます。

確かに愛犬が立派なウンチをした時、見ているこちらもスッキリとした気分になるものです。


 しかし――それは本当に貴方のブルドックがした物なのでしょうか?


 私は不安に駆られました。「それ、人糞かもしれません」と話しかけるわけにはいかず、トイプードルを連れて、そそくさと家に帰りました。


 おじさん、ちゃんと片付けて帰りました……よね?

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

冗談でしょ!? いいえ、これは本当にあった話です。〜梵ぽんずの本当にあった嘘みたいな話。愛犬との散歩中の話〜 梵ぽんず @r-mugiboshi

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

参加中のコンテスト・自主企画