第1話


「今日も柊さん可愛かったな。」


「ほんとにそれな!あのルックスで頑張り屋なんだからそりゃ女優オファーも来るに決まってるよな〜!」


「1年の夏に声がかかってそのままデビューだからもうそろそろ1年なのか。俺たちでもなんか祝いたいよな。」


「それな!クラスのみんなに声掛けてなんかやっちゃう?」


「それありだな。きっと柊さんも喜んでくれるに違いないな。」


 今は授業が終わった放課後。このクラスの陽キャグループの2人が近々デビュー1周年になる柊暦ひいらぎ こよみさんについて話している。


 柊暦というのはこの学校に通っている女の子の名前だ。

 今から一年前ぐらいに元々そのルックスが可愛いと中学で有名だったらしい柊さんがついにというかやっとと言うべきか芸能事務所に声をかけられてそのまま女優になった。

 とは言ってもまだ主役級の役をやっているという訳ではなく脇役ばかりらしいが段々とSNSを中心に人気になっている。

 もちろんその人気はこの学校でも高く男子からすごくモテている。俺も好きと言うほどでは無いが可愛いとは思うし柊さんの性格にはすごく好感を持っている。


 みんなも気になるであろう柊さんの見た目は

 黒髪黒目のクールビューティーな顔立ちで髪はショートヘアにしている。身長も平均よりは高く服装は女っぽいと言うよりは中性的な服装を好んできている感じがする。

 そして絶壁。ここ肝心。


 そんな彼女と隣の席なのがなんとこの俺だ。

 彼女の性格がいいなと思えたのも席が隣だったおかげである。でなきゃ俺が彼女の性格を知る機会なんてできないだろうし。


 おっと忘れるところだった。俺の名前は山内海斗。

 毎回聞かれるから最初に答えておくと山よりも海の方が好きだ。だって暑がりだし。

 成績は下の中で見た目は自分だと可もなく不可もなくだとは思っている。

 一応友達も何人かいるからぼっちではない!


 話を戻して…。

 彼女の性格がいいなと思ったきっかけなのは勉強を見てもらったことだろう。

 見ての通り俺は成績が決して良くは無い。だから何度も似たようなミスをしたりしていたが彼女は

 「私は困っているクラスメイトを見捨てるのは嫌ですから」といって最後まで教えてくれた。

 お前チョロっ!と思うかもしれないがクラスメイトとはいえ赤の他人である俺に最後まで教えてくれるなんて性格がいいに決まっているだろう!


 まぁそんな理由で俺は彼女に好感を持っている。

 あとは…勉強を見てもらってからも隣の席ということでちょこちょこ彼女と話したりしている。

 その会話の中で彼女は女優業にやりがいを感じていると話していた。

 なんでも自分の得意なことがある程度評価される世界らしく大変ではあるもののそこまで苦という訳では無いらしい。だからこれからも続けたいと話していた。





 っとそろそろいい加減帰らないと妹が怒るし帰るとするか。

 全く関係ないが世の中の兄妹に幻想を抱いてる人は羨ましいよな。実際の妹がいる身からすると…はぁ。


 ――――――――――――――――――――


 メモ。

 1186文字。

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