おたまじゃくしバトルロワイヤル

@k0905f0905

第1話

「バンド組まねえか⁈」

マブダチのアキラに学校からの

帰り道そう言われたとき、紗香は背筋に

ゾッとするものを感じ、すぐにでも

その場から逃げ出したいような

衝動に駆られた。

「なあ、紗香ちゃんってば」

「やかましい!ウザイからその気色悪い

顔面それ以上近づけるな」

紗香がつっけんどんな態度を取った。

「あーら、ご挨拶じゃない、紗香ちゃん。

サービスしとくから寄ってってよ」

「酔ってるならまたにする」

「悪かった紗香」

アキラが紗香の肩に手を置いた。

「今度メジャーデビューの話があってな。

いいボーカル探してんだよ」

「あたし、音楽苦手だし、生まれてから

このかた人様の前でうたったことないし」

「飾りでいいんだよ。バックでオレたちが

キチンと立派な演奏するから、オマエは

バカみたいな顔してつったってりゃいいんだよ」

「帰る」

「どうして」

「アキラのバカ」

紗香が帰って行った。

「何だアイツ」

アキラが首を捻った。

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