第2話 青空の覚醒

蟲たちに襲われた数日後、青空は夜道を歩いていた。


青空:「あー、月が綺麗だな。」


青空は見えないはずの月について不気味なことを口にしながら歩いていた。


その日は曇っており、月は見えない。いつも通りの道なのに、薄暗い中に不気味な感覚が漂っていた。


青空:「いつもより暗いな。道が見えない。てかここはどこだ?」


青空はいつもの道を歩いているはずが、いつの間にか、不気味な風景が広がるところに出ていた。周囲にある家や街灯も見たことがあるバズなのに初めて来た場所のような不気味な感覚が彼の体と心を支配していた。


青空:「おいおい、これは一体…。蟲たちの仕業か?いや、そういった経験はないぞ。」


青空は初めての体験に動揺し、ただ周囲を見渡すことしかできなかった。心臓の鼓動が激しくなり、血が体中を巡る感覚だけが彼にはわかった。


?:「おいっ、おい!大丈夫か?」


誰かが青空に声をかける。


青空:「っ!?ビビったーあんたか」


青空は驚きを隠すことなく言葉を返した。そんな空に声をかけたのはいつも助けてくれるゼロ隊の人物であった。


ゼロ隊:「いいから逃げるぞ、これは蟲の巣に入った状態だ。」


青空:「なんだそれは、初めての体験なんだけど」

ゼロ隊:「当たり前だ、この地域でこんなことがしょっちゅうあって堪るか。とりあえず出るぞ、そこを曲がればでれる。行くぞ」


青空は初めての経験に困惑しながらもゼロ隊の指示に従い蟲の巣から出ることにした。歩いてる道中特に蟲に襲われることもなく。出口らしきところまで移動することが出来た。


青空:「これが出口か?、案外楽にでれるもんなんだな、助かるぜ」


その出口から出ようとした瞬間蟲の気色の悪い声がした


蟲「ウギャーーーーー!!」


ゼロ隊:「さっさと出るぞ!!」


青空たちは蟲の声に驚きながらも巣から出ることに成功した。


ゼロ隊:「何とかでれたなお前はこのまま逃げろ、たぶん蟲が追いかけてくる。」


青空:「出てくるってその中からか?、お前はどうすんだよ、あれと戦うのか?いつものとレベルが違うぞ。」


今回、青空たちの前に現れた蟲は明らかに今までのとはレベルが違うことは両者ともに理解していた。


ゼロ隊:「それでもやるしかないんだよ。仕事だから。大丈夫だって応援も呼んでる。時間稼げば何とかなるだろ。」


(パリィーン!!)


巣から逃げ出すことに成功した青空たちだがどうやら蟲本体から逃げる時間は与えられなった。


現れた蟲はアブのような姿をしており、半球型の頭部に大きな複眼と、羽は4枚で口は大顎と小顎が剣状になっていた。そして、人間と同じぐらいのサイズをしていた。


ゼロ隊:「アブ見たいだな」


青空:「逃げれる気がしないんだけど助けて」


ゼロ隊:「俺が戦うからその間に逃げろ、いいな」


ゼロ隊と蟲、そして青空。三者の緊張が高まり、互いに警戒しながら次の一手を待っていた。


その時、痺れを切らした蟲が動き始めた。


ゼロ隊:「いけーー!!」


ゼロ隊の声とともに青空は走り始めた。背後からは発砲音や蟲の羽音が聞こえてくる。緊張感と不安が青空を包む中、彼は後ろを振り向くこともなく走り続けた。


突然、何かが彼の横を通り過ぎ、その先に大きな音を立てて倒れた。青空は駆け寄り、それが倒れたのはゼロ隊であることを悟った。彼らの敗北と同時に蟲が迫っていた。


ゼロ隊:「逃がしてやれなかった、かすまない」


青空:「生きてるのかよかった。能力は使ったのか?お前は何ができるんだよ」


ゼロ隊:「まだ見せてない、銃で応戦していたからな」


ゼロ隊の人員は普通の人間とは違い異能力を使用することができるが、その能力を使用することは少なく、普段は自身のオーラを銃やナイフなどに付与することで、蟲と戦くことが普通であり、能力は蟲に対しての切り札である。


ゼロ隊:「俺の能力は触れたものを10秒間任意の高さに浮かすことができる。というものだ。」


青空:「いまいちすごさがわからんな、てか飛んでいるやつには意味あんのか。」


ゼロ隊:「そういうことを言うな。」


両者は解決策を出すが出来ず蟲に追いつかれることになった。蟲は不快な羽根の音を立てながら迫ってきた。青空は自身の力の無さを痛感し自身の人生が終わってしまうことへの不安と怒りに支配されていった。しかし、蟲はそんなことなど気にしないで青空に突撃した。


青空:「グハァッ!!」


青空はどうすることもできずに吹き飛ばされた。不運なことに吹き飛ばされた先は工場跡地で一緒に倒れたドラム缶から、油があふれていた。


青空:「ゴホッゴホッ、いてぇ」


青空は打ち付けられた衝撃をただ耐えることにしか集中できず、蟲の追撃に気づくことが出来なく、また突撃される。


青空:「グハァッ!!」


青空は、呼吸もままならず、衝撃による痛み急激な心拍上昇による心臓の痛みに耐えるしかなった。蟲は青空に追撃をした後、しばらく青空の様子を見る行動をしておりまるで青空をあざ笑うかのような振る舞いをした。

呼吸を整えた青空はなんとかこの状況を脱するべく案を考えていた。


(火だ!蟲なんだろ火突っ込んでるくることはないだろ。)


青空はが火に弱いことを願って持っていたライターで溢れ出た油に火をつけた。火は瞬く間に燃え広がり蟲を空の間に境界線を引いた。


(よーし、これでなんとかなるか?)


そんな青空をあざ笑うかのように蟲は火などお構いなく再び青空に突撃した。


青空:「グハァッ!!」


青空は再び吹き飛ばされ壁に押し付けられた。呼吸もままらなくなり、それと同時に腕に熱さを覚え見てみるとつけた火が青空の腕に燃え移っていた。絶対絶命の中、青空は生きることより自身を殺しに来る蟲に怒りを覚えせめて道ずれにしてやることにした。


青空:「さすがにここまでか…、腕もいてぇし、だったらおめぇも一緒に燃やしてやるよ!!かかってこいやぁぁぁl!!」


そして蟲が青空にとどめを刺すその瞬間、青空から青い炎が噴き出し、その衝撃破で蟲を吹き飛ばした。

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蟲喰い @karasu112

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