イラストレーターを目指しイラストを極めた俺、なんか異世界転移したんだけど平和で気ままに暮らします!!

@nekonohirune

第1話 俺の夢


昔、初めてSNSでイラストレイターが描いた沢山の当時人気のあったキャラクターのイラストを見た時、俺の身体に電流が走るような衝撃を受けた。

それぞれ輝くイラストは俺の心を躍らせた。


凄い。


同じジャンルなのに…違う絵柄で…個性が出てる。

それはまるで、同じキャラクターなのに各々違うキャラクターが心を宿し私を見て!!と叫んでいるようだった。

俺は夢中でイラストに目が離せなかった。

俺はその時、誓ったんだ。

いつか、俺は全力でイラストに心を宿せるようになって有名で凄いイラストレイターになると。




─────




俺、咲島絵空は青春時代といえる10代をすべてイラストに費やした。

周りになぜか馴染めなかったというのもあるが、自分がそうしたかったのだ。

来る日も来る日もイラストを描き続けた。

気づいたらイラストを書き始めて早数年経っていて、イラストも上達していた。

しかし

イラストレイターの道は過酷だった。

自分より上手い人が数千数万といる中で、自分を見つけ出してくれる人はあまりいないからだ。

上には上がいる。

俺にはイラストを描く才能がないのではないだろうか?

何度もそう思った。

しかし、めげずに描き続けた。

努力で才能の差を埋めようとした。

それから少し、本の少しだけど俺のイラストを好きと言ってくれる人ができた。

凄く嬉しかった。

しかし、浮かれていると駄目だと思い、高校受験の時も必要最低限の勉強で入れる高校にして、あとはイラストを描きまくった。

周りにどう思われようが俺はイラストを描き続けた。

いつの日か、俺の思ったようにイラストが描けるようになった。

少しづつ人気が出始め、有名とまではいかないがSNSで少しだけ稼げるようになった。

それでも上には上がいた。

フォロワーが俺より少なくても、画力、技術すべてが俺より高い奴らはゴロゴロいた。

しかし、俺はそうゆうやつらのすべてを吸収して極め続けた。

稼げているといったが、少しだけで、それだけでは生活するのはできないので、生活費と液タブを買うためにコミュ症ながらバイトを始めた。

最初は心が折れそうになった。

しかし、自分のため、イラストのため。

そう思い頑張った。

半年間バイトをして貯金し続け、やっと液タブを買うことができた。

念願の液タブを買い、家に帰る途中にあることに気づいた。

「やべっジュースもうないんだった。」

いつも買い置きしているはずのジュースが、運悪いことにいつもより暑い今日切れて切れてしまっていた。

コンビニよるか…?でもなぁ…と思いながら歩いていたら、自動販売機の横を通り過ぎた。

チラッと自販機のラインナップを見ると、ちょうど切れていたジュースが目に入った。

「お、ここに売ってんじゃん」

正直買いにコンビニ寄るのも面倒だったので、この自販機で買うことにした。

「100円だま〜…あれ〜?どこだ」

財布をだし、小銭が入っているところを開け、100円玉を探っていると、急に足元が光出した。

「うぇっ!?なんだこれ!?魔法陣!?」

よく見ると、魔法陣のようなものが足元で光っていた。

そして周りが光で真っ白になった。

そして数分後、眩しくて目を固く閉じていた俺はゆっくりと目を開けた。

「…は?」

俺が立っていた場所はさっきいた場所ではなく、森の中だった。

周りに道路や駐車場があったはずなのに、なぜかそれが周りになく、地面もコンクリートだったはずなのに、少しパサパサした土の地面になっていた。

こ、ここは、どこなんだよ…

俺が持っているのは財布と液タブくらい…。

「ど、どうか…夢であってくれー!!」

俺の叫び声だけが森に響き渡った。


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