No.26 画材屋さん

チェインは画材を選んでいるようだ。


「どの画材を選ぼうかな。」


A3型巨大画用紙に水彩絵具。

フレームはその一回り多い物を。

フィルタリングとリボンとラッピング…と。

いつもの画材屋さん-

チェインは24日までに

キィアスにサプライズを贈る予定です。

絵画資料集をプレゼントくれるなんて…。

ならば…! こっちは、生の"絵画"だよ

キィアス !


『ふふ、びっくりすかな。キィアスって可愛いから。』


嗚呼…。なんて笑顔が溢れるのだろう…!

"喜んでもらえますように…っ"

ぎゅっと、目の前の画材コーナーの"紙"

抱き締めました。

"喜んでもらえる人の

"ありがとう"

が、パワーの源なんだっ !

書いて、贈って、喜んでもらえて。

また書いて書いて…

積み上げて…

時には落ちて、凄く堕落して…

また這い上がって………!

泣いて、笑って、くたばって…

そう…人それぞれの価値観だけど。

その笑顔にありがとうが。

嬉しいから。

"だから私はがんばれる。

賞状1枚減って

2枚加算すれば良い"

パパとママの喜んだ顔が見たい。

キィアスのタメならがんばれる。

そして、私はーーー。


『絵画を目指すーーーー。』


「チェインちゃんてさ、絵画を描いている姿、本当にカッコいいと僕は想うよ。」


「!」


カセ先輩だ…!


「カセ先輩、どうして此処に居るの?」

「ちょっとね。僕もお買い物さ。処でフレームって何処にあるのかい?」

「あ、えと…。お店を入って真っ直ぐ中央。」

「あれ?そんな目立ってる場所に?」

「…探し物が見つからない日もあるよ、カセ先輩。」

ほんのりハートが焦げる感じがした。


カセ先輩と逢うのは久しぶりだな。

冬休みでメールとか電話もなく。

どうしたんだろう?って…。

聞いていいかな?


「…もうすぐX'masだけど、カセ先輩は予定とかあるの?」

「うーん。同校フレンド達とパーティーかな。チェインちゃんは?」

「私は…。」

あ。

『"カセ先輩には秘密だぞ"』


…うーん。けど、こうゆうの苦手だなぁ。

影でこっそりキィアスとX'maseveを過ごす。

カセ先輩も一緒に居てもいいじゃないって。

思っているのだけれど…。どうかな?


「…秘密です。」

「…いいよ。気にしないで。そっちはそっちで楽しく過ごしてね。チェインちゃん。」

「…はい。」

「それと、これ。」

ん…?

「ひとつ先にわたしておくよ。クスッ」

"真っ赤"

「Mary'sX'masチェインちゃん。

eveはキィアスにあげるよ。

おすそわけね。じゃあ、また…。」


自動ドアが開き、ヒラヒラ手を振って

GOOD LUCK!!

カセ先輩からの、ニヒルな黒い

ブラックサンタクロースでした !

「も、もう!カセ先輩のナルシストぉおーーーーーっ!」

それでもやっぱり振り反っては。

笑ってくれた。

嗚呼。おかしいな…!


『よーしっ!』


24日まで、あと、カウントダウン4日…!

早速家に帰宅したら画材を広げ作画開始だね !


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