No.6 ファミリアス
-鎖家宅-
"ガチャン"
「あらぁ、鎖、おかえりー」
鎖は居間を通り越してダッシュで
二階へ掛け走った。
「?………どうしたのかさそら、あの子。」
「おーい、鎖はどうしたんだ母さん。」
「隠っちゃったわ。」
「…ふぅ。やれやれ、昔みたく変なアダ名つけられてまいな」
「そんなことないわ。今は私達もしっかりあの子を見守っていますもの。」
「…鎖次第だな。」
ママはエプロンを畳んで。
リビングテーブルを大布巾をかけて。
水滴を取り除いた。
パパは温かい緑茶をそっと掌に包み。
心の治癒をしました。
「やはり、母さんのお茶はあたたかいな。」
「鎖もそろそろお年頃だし、跡を継いでくれるかもね、うふふ。」
ほがらかな会話が二階まで届いた。
良かったぁ…パパとママには
気づかれていないみたい。
今、鎖の頭に過っている言葉………それは
「私が…不登校かぁ………。」
自分に限ってありえない。
まさかの"賞"でやられてしまうとは
思いもよらなかった。
『私…イヤガラセ…された。』
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます