俺は兄貴のスペアじゃねえ!!
みっくすP
マジでふざけんな!!
昔からなんでもおさがりだった。
赤ん坊の頃も、小学生の頃も、中学生の頃も。
全部兄貴のおさがりだった。
赤ん坊の頃はまだ記憶がないからどうでもいい。
しかし小学生になるとき、ランドセルは兄貴のおさがりだった。
兄貴は兄貴で新しいランドセルを買ってもらっていた。
普通入学する俺が新しいランドセルじゃないのか?
傷だらけのランドセル…同級生にはからかわれた。
教科書も同じ内容だから『お兄ちゃんのでいいよね?』と言われ、落書きされたボロボロの教科書。
中学生になると今度は制服が兄貴のおさがりだった。
兄貴が卒業のタイミングで俺は入学。
よれよれになった学ラン。やはりこれも同級生にからかわれた。
教科書も同じことだった。
これだけじゃない。
部屋にある漫画とかは兄貴好みの漫画しか置いていない。
親からは『お兄ちゃんの本があるから我慢してね』と自分の好きな漫画を買ったことが無い。
お小遣いだって、『お兄ちゃんのがあるから、少なくても大丈夫よね?』と言われ、中学の時のお小遣いは月500円だった。
ようやく兄貴とは別の高校に入ったことでおさがりはこれで終わると思っていた。
新品の制服、新品の教科書。
『お兄ちゃんと同じ高校にすれば…』と親は不満を言っていたが、俺は無視していた。
何より自分だけのものを手に入れた喜びの方が大きかったからだ。
しかし、高校での出会いで、また俺はおさがりかと思っていた…。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます