瞬殺ホラー劇場
利野元 大志
道祖神
私はしがない土木会社の社員、野田幸夫と申します。
特に出世しているわけでもないし、かといってお荷物扱いされているわけでもありません。
ある日、弊社がA県庁からの発注で道路の拡幅工事を受注しました。山の中に県道を通すというかなり大がかりなプロジェクトでした。A県が用地買収した場所を施工していくのですが、谷間の集落の横を通す時、そこには古い道祖神が祭られていました。
「野田さん!この道祖神どうしますか?」
若手の作業員、清水が私に聞いてきた。
「集落のじいさん達に聞いたら、道祖様は壊しちゃならん、って言うんだけどさ、迷信っぽいし壊しちゃって良いっすよね?」
馬鹿馬鹿しいと言わんばかりの態度で言われたが、私はとてもイヤな予感がしたんで、
「手間がかかりますが、壊さずに横に避けましょう」
そう言って道路を工事する場所を緩やかにずらし、道祖様はそのままにしました。
その後は何事も無く、工事は順調に進み竣工しました。
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