ナースの習性 2

自分の病院で私が受診すると、みんな忙しいでしょと言って、勤務時間外の母が注射や点滴をしてくれた。

採血をする時は、色がどうとか、サラサラだとか、あれこれ言うものだから、私は出てくる自分の血をじーっと見つめる羽目になる。

結果、今だに注射や点滴の時はガン見してしまう。


別の病院では、さすがに自分が打つわけにもいかず、私の側で様子を見ているが、終わった後に、決まって何か言う。

 あの看護師さん、上手だった? 痛くなかった?

 下手くそやなぁー。変わりたかったわ。


歳を重ね、自分が採血や点滴されることが多くなってからも、「今の人、上手だったわー♪」とご機嫌だったり、「さっきの人、まだ新人さんやね。慣れてなかった」と教育担当のような顔をしてみたり。

 

注射が得意なナースは、あれこれ気になってしまうのだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る