第13話 キャンプ△開始だよ〜
照りつける日差しが眩しい…。
だけど、風は周囲の森の影響か涼しい。
このキャンプ場は森に囲まれてるし、川も流れている。周囲の環境音は美しく奏でていて心地が良い。
あぁ、本当にここで眠りたい。
「先輩…何悟ってるんですかキモイっすよ。」
ん?誰かなー俺のことをキモイといった奴は〜。
「こらこら、彩音さん。彼はそういうお年頃だから気にしちゃいけないよ。」
「なんでですか先輩!てかみんなもこの地の心地良さは分かるでしょ!!」
みんな酷い…。泣きそう。
「あっははは。佐城きっしょ〜。」
「おいゴルァ!!お前が1番イラつく言い方をするよなー、あ?」
「うわー佐城は短気だな〜。」
「うるせぇ!!」
はぁ…泡沫の煽りは癪に障る。結構疲れるんだが…。
「はーい、2人とも離れて離れて。本当キミたちはことある事に喧嘩するんだから。」
先輩が間に入ってくれたから何とかなった。
そろそろ準備をしなければ…。
「先輩方!!テント完成したんですけど他に何をすればいいですか?」
……。え…。俺の活躍が無くなった。仕事が。
「とりあえず、BBQの用意をしてくれないか。ボクは食材の準備をする。誰か手伝ってくれないか?」
よしきた!俺の出番が。ここは料理を趣味としている自分が手伝わない訳には行かない。
「はい!私やります。佐城みたいな短気な奴には任せられないので〜。」
「おい、誰が短気だよ!」
こいつ…。
「んーじゃあ。妃結友さんにお願いしようかな。」
「わ、私ですか!?ま、任されました…。」
テントの手伝いをしていた花鷹さんが驚いた表情で答える。
はははっ!ざまぁみろ泡沫!お前の信頼度はその程度ってわけだ〜!
「じゃあ泡沫さんと佐城くんには買い出しをお願いしようかな。」
なっ…俺がこいつと。
「とりあえずこれがリスト。頼んだよ2人とも。」
えぇ…。はぁ、まぁ仕方ないか。
「いくよ佐城。」
「はいはい。」
ん?妙に素直だな。なにか裏がありそうだ。
「ま、アンタは頼まれごとされてもすぐ忘れるだろうし、記憶力がいい私が一緒に行ってあげよう!」
こいつ…
「やっぱり嫌だーー!!」
俺の声は森の奥まで響くぐらい大きかったようだ。
そのせいか、出発前に先輩に自重するよう怒られてしまった。
キャンプはまだまだ始まったばかり、ここからまた繰り返される事件が起こることを俺たちはまだ知らない。
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