第12話 企画決定

昨日のことを忘れるこのようにいつも通り今日も授業を終え、部室に向かった。

そこにはいつも通り、先輩が先にいてその隣に泡沫がいる。挨拶をして、自分の席に着き、コーヒーのパックを取り出し、ポットのお湯を注ぐ。

そして出来たコーヒーを飲み、一息着く。いつも通り…なはなずなのに。先輩、いつまで目線を下にしてるんだ!?さっきから俺と目線が合うたびに目線を逸らすし。

あれ?気にしないんじゃないの?というか始めたのはそっちからでしょ。

「コホン。さ、佐城くん。」

「は、はい!」

すごい声が裏返ってしまった。

「そ、その…今日で企画が決定する訳だけど、説明は任せてもいいかい?」

「はい、任せてください。」

「わ、わかったわ…」

気まずい…いや分かっていたことだけど。てかもっと先輩ハキハキ喋ってくださいよ。後輩たちがきてもそれだったら変に勘ぐられるよ?

というか、泡沫は何をして……

「すぴーぃ……ズズずー」

いや、寝てんのかよ!確かに空調よくてここが寝やすいのは分かるけど。ボケ兼イジり担当のお前が機能しなかったらこの空気どうやって変えるんだよ。いや待てよ、この寝てる状況自体がボケなのか?意味わからんって…

誰が助けてくれこのカオスな状況をーーー!

「失礼しまーす。」

頭を抱えているとドアが開いて人の声が聞こえた。

「って何この空気。1人は頭抱えてるし、1人は寝てるし、1人は俯いてるし…。」

あぁやっと気づいてくれた。さすが速川…ナイス。

「なはー。思ったよりこれは深刻そうやな。あんさん方もっと元気にこうにこーっと笑顔が大事ですや〜」

一八のノリが今は助かる。やばい泣きそう。

「「はぁ…このバカ2人は…」」

呆れないで2人とも。俺らに響くからそのため息。

「ごめんよ。とりあえず席についてくれ。」

「「「「失礼します、」」」

俺は寝てるアホと目線を合わせないダークマター先輩をチョップで起こす。

「あいたっ。」「うへぇ…」

全く…さてと、話し合いを始めるか。

「まず、キャンプ場に関しては決まった。森に囲まれていて、近くに川と湖がある。実際の場所は近いうちに説明する。」

「うんうん。それでだ。ボクたちはその中でも1番適しているところを選んだのだけど、キミたちはどんなイベントをやることになったんだい?」

俺が説明した後に先輩方後輩ズに事前に話し合ってもらうよう伝えたイベントについて聞く。

「僕たちが決めたイベントは、『魚釣り』『BBQ』『星座観察』『簡易的料理対決』です!」

なるほど…ツッコミたい事は山々だがとりあえず聞こう。

「『魚釣り』は、近くの川で許可を貰い、1発勝負で誰が1番大きい魚を釣れるかの勝負です!」

「おぉ!面白そうだね!!」

確かに泡沫は1発系好きだしな。

「『BBQ』はみんなで色々なものを焼きます。まぁ、メインは料理対決なんで〜」

「で、星座観察は夜になった時に見えた星をスケッチし、どう見えたかのプレゼンをしてもらいます」

おぉー一気に部活らしくなったな。

「で、最後の『簡易的料理対決』なんですけど、これは乾麺を使って以下に美味しいものを少ない食材で美味しく作れるかの勝負っつー事や。ま、オレが1番上手くできるけどな〜」

うわ面倒だけど面白そうなやつだわ。

「なるほど、ではそれについてボクから言えることはまず釣りは厳しいということ。許可云々というより出来る場所が少ないかと。その他に関してはいいと思う。みんなはどうだい?」

先輩の言うことは合ってる。俺もそれには賛成だ。他の後輩たちも納得したようだしあとは泡沫次第。

「んーいいんじゃない?私もそう思うし。」

いや軽!せめてワンクッション置いて言おうよ!!

「よし、じゃあ企画も場所も決まったことだしこれで夏のキャンプ企画は決定でいいかい?」

みんな頷く。

「じゃあ、これにて今日の会議は終了!!解散」

先輩の合図と共にみんな立ち上がる。にしても後輩達のキャラ掴みは難しい。関西弁、ギャル風、真面目くんのようでツッコミキャラ、元気過ぎるキャラ…。よく考えたらうちの部活ってみんな個性が違いすぎるからキャラの渋滞してね!?

まぁ…うん。こういう時もあるよなーとはならないから!

とりあえず企画が完成したからいいか。

夏が楽しみになるな。

今日はいい一日になりそうだ。


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