常任優等国

シュン・ニジオカ

第1章 宇宙人がやってきた

「チハル! 宇宙人がやってきたんだよ‼」

 地下に隠れ住むチハルの、地上に住む唯一の友人アミが、いつに無く興奮した声で言った。

「えー? なんだいそれ」

「だって、『私たちは宇宙人です。遠い星から地球を征服に来ました』って言ってる」

「なんか良く聞くフレーズだね? ホント宇宙人?」

「本人が言うのだから間違いないと思うけど。いちおう確かめてみる。ネットで」

「宇宙人って怖くない?」

「ぜーんぜん。すっごい美人だよ。激推しだよ!」

 逃亡生活でチハルは位置情報を知られるスマホなど持っていない。といえば聞こえがいいが、スマホが苦手で、それにテレビとかも嫌いで、そういう通信機器とは一切縁が無い。そういう情報はアミからのみ得られる。別に欲しいわけではないけれど。


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