第3話 懐かしい話

娘がまだ小学生の頃、早起きしてミスタードーナツのモーニングを食べに行った日のこと。


ドーナツ食べて、


そろそろ家に戻って分団に行かなきゃ、分団長に怒られちゃうね?


うん、ママ、行こう!


慌てて車に乗り込み、駐車場を出て、歩道を横切り車道へ出る所で待っていた時、


カン


なんか車に当たった音したね?


うん、したね。


おかしいね、何もないのに。気のせいかな。


気のせいじゃあないよ、ママ。


だって、何もないもの。車じゃないとこに何か当たったのかな?


ううん、車だよ。だって、あそこのおじさん、自転車でぶつかって、あそこを走ってるもん。


え?


と見ると、立ち漕ぎで漕いで逃げてる!


あ、もう追いかけられないじゃん、車出しても!


早く言えー、馬鹿娘!


と思った朝でした。





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エッセイ @fairyangel

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