毒吐き場

平 遊

第1話 本人が無能でも部下が有能であれば出世する

【出世】という言葉が、遠い世界の出来事のような環境にしばらくの間いたせいか、【出世】とはドラマで見る他所の世界の話な感覚だった。

 けれども、転職していくつかの職場に入り、周りを見回して少しだけ身近なものとなった。

 そして気づいた事がある。


 それなりの役職についてる人、みんながみんな仕事ができる人、っていう訳じゃないんだな。


 確かにドラマでも、できない課長とかいるし。

 これは現実でも【あるある】な話だ。


(【社長】に至っては論外な事もあった。1代目で作って、2代目で傾いて、3代目で潰す、なんて言葉もあるけど、わたしがいた会社は2代目が既に潰してたな。仕事しないセクハラ大王なイメージしかない)


 じゃあ、なんで【出世】できてしまうかといえば、良くドラマなんかで見るのは、人事権のある上司の太鼓持ちが出世していくケースかな。

 まぁ、でもこれは実際にはさすがに、多くは無いと思う。このご時世では特に。

 それじゃあ、他にはどんなケースがあるかと言えば、わたしが見て来たのはこんなケースだ。


 本人:無能

 部下:超有能


 幾分誇張しているけれども(笑)

【無能】ったって、な~んにもできないダメ人間ていう訳では、確かに無いけれどもね。

 だけど、「その役職でその程度ですか」と言いたくなるような感じではある。


 仕事っていうのは、上司が無能だろうがなんだろうが、期限は刻々と迫って来る訳で、やらない訳には行かないのですよ。

 そうすると、超有能な部下は、色々察して先回りして仕事をするのです。

 すると、上司が指示を出さずして、仕事が完了してしまうんですね。

 そしてそれは誰の手柄になるかと言えば、上司なんですよ。


 持つべきものは、有能な部下、ってとこですかね。

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