四人家族

祖母と父と母と

そして、わたし

幼い頃それは

揺るぎないものだった


悪夢で何かに追われて逃げる時も

家族の誰もが欠けずに

いることをいつも確認して

夢から覚めた時に

夢だったことに安心した


毎日があたりまえで

死というものは

遥かに遠く実感すらなく


歳を重ねて


あの昔の四人家族は

今は、わたしを残すだけ


大人になって

新しく二人家族をつくり

三人、四人

五人家族になったけど

結局、四人家族になり


今のわたしは

死という言葉の意味を

痛いほど知っている


だからこそ

死ぬまでは精一杯生きねばならない

ということを


愛しいひとたちに教えられて

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