張子の虎

わたしはどんどん無口になる

言葉の吟味に疲れてしまって

温度は熱すぎず冷たくないか

手触りはゴツゴツしすぎてないか

形は?色は?

そんなことばかり考えていたら

選べる言葉を見失い

わたしはどんどん無口になった


そのうちに

わたしの口は飾りになるのか


首ばかり

ふるふるふる、と

縦に動く

滑稽な


まるで張子の虎みたいに

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