英雄と群衆

とてもわかりやすい正義

そのカリスマ性に

人々は惹き付けられ熱狂する


それでも100%の正義など

ありえない以上

そこには迷いが必要だろうに


力強さは独裁ともなり得る

権力を得た時にみえる本性

信念という名の独善


英雄に心酔して担ぎ上げ

でも何かのキッカケで

簡単に手の平を返す民衆



英雄を作り上げ

全てを背負わせた挙句に堕とす


わたしは

人が群衆になった時の傲慢が

怖くてならない



⟡.· ⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯ ⟡.·



※以下は作者による蛇足



この詩を書いたことの直接の切っ掛けは、先日アメリカで起こった暗殺未遂事件でした。

不幸中の幸いで、負傷されたもののご無事でしたが、後ろにいた聴衆のお一人が被弾されて、お亡くなりになるという痛ましいことに……。


ご本人は負傷されながらも拳を振り上げて無事をアピール。

それをみて熱狂する聴衆。

すごい胆力だと思います。

でも、どこか恐ろしく感じてしまったのです。

まったく違うのだけど、ナチスの総統と、その頃の民衆を思い浮かべてしまった。


強いリーダーというのは人々を惹き付けるし、必要ともされるのでしょう。

ただ、民衆が熱狂し、盲信して、担ぎ上げた挙句、今度は疑問を持つこと、反対意見すら言えないようになってしまったら?


民衆とは、時として、とても残酷で気まぐれになり得るものだということを、わたしたちは歴史から学んできたのではなかったのか……。



言葉足りずで伝わりにくかったらごめんなさい。

本来、詩にこういう補足は付けるべきではないのだろうと思います。

ただ、あくまでもとして書き残しておきたいと、この"蛇足"を記しました。

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