外つ国の幻想

くにへは

行けないままだったな

挑戦したことよりも

しないままのほうが多かった


いつか、と思っているうちに

失くしたくないものが増えて

わたしは

まえがみ太郎の火の鳥のように

飛ぶことを諦めた


現在いまを大切に思っているけれど

後悔がなかったかといえば

嘘になる


飛んでみたかったな

結局、飛べなかったにしても

途中で墜落しても



時々、夢をみる


行かなかったくに


多分、だからこそ


とてもとても美しい幻想ゆめ

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